【大学野球】土俵際からの粘り腰 東農大が31年ぶりの一部の座を手にできた3つの理由
一つずつ踏んだステップ
2023年春 二部最下位→三部降格 2023年秋 三部優勝→二部昇格 2024年春 二部優勝→一部昇格 一つずつ、ステップを踏んできた。主将・和田の「覚悟」も2つ目の勝因である。 「(昨春に)三部に落ちて、これ以上ない悔しい思いをした。(3年秋から主将となり)すぐに(二部に)上がって、すぐに(二部で)優勝して、すぐに(一部に)上がるんだ。目指す場所は、一つしかない。チャンスは1回。そのチャンスをものにするかが重要。昨秋の入れ替え戦で二部に上がって、この一冬が大事になるんだぞ!! と。二部で勝つため、一部二部入れ替え戦で勝つための取り組みを継続してきました。実を結んで良かった」 1回戦で駒大に先勝を許しても、慌てない。最後の勝因は強じんな「メンタル」である。 「僕らの学年が中心となって野球をやらせてもらって『楽しく野球をやろうじゃないか』と。苦しむのではなく、楽しく試合に臨む。良い意味で割り切りがあるチームです。自分たちは二部から一部へと上がるチャレンジャー。1回戦は浮足立っていた。試合後、監督からの話で『取り組んできた努力を、信じてやるしかない。それで結果が出なければ仕方ない』と。選手間でももう一度、確認し合い、リフレッシュして2回戦以降を臨むことができました。(3回戦は)気持ち。一つのボールに食らいつく執念でやっていこう、と」 「一部昇格」がゴールではない。2024年秋、東農大は一気に「戦国・東都」の頂点に駆け上がるべく、万全の準備を進める。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール