勝山市の豪雪地帯でオリーブ栽培 産業化目指す 人工ビーム照射して成長促す
勝山市の山あいで休耕田を活用したオリーブ栽培の計画が進んでいます。オリーブといえば「温暖な気候の地中海」というイメージ。県内有数の豪雪地帯で果たしてオリーブを育てることが出来るのか挑戦中です。 福井大学の研究施設で行われていたのは電磁波を照射する実験です。 オリーブの苗木の周りに輪のように赤く映るのが電磁波。自然界にない人工のビームをあてることで、刺激を与えて成長を促し、寒冷地でもうまく育つかどうか検証することにしています。 福井大学 谷教授 「これまでは小豆島など比較的温暖な地域でオリーブ栽培がおこなわれた 寒冷地でも栄養が詰まったオリーブができれば、新しい産業の創出につながる」 このプロジェクトは勝山市の撚糸会社ヤマダ殖産やふくい産業支援センターが連携して取り組んでいて、目指すのはオリーブの生産から加工・販売まで手掛ける「6次産業化」です。 ヤマダ殖産 山田晋洋社長 「暖かい地域より寒いこの雪国ならではの、養分の多いオリーブの実であったり、葉っぱをとって、それが例えば化粧品・薬に変わっていけば」 最大の課題は「気候」です。平泉寺地区は冬は1メートル以上積もる豪雪地帯。 霜で葉が傷んだり、雪の重みで枝が折れるといったリスクも懸念されます。 山田晋洋社長 「ビーム照射で、寒さに強いとか、成分が強いという変化があるとありがたい」 また、オリーブは水田のような水はけの悪いところでは根腐れするため、半年かけて土壌改良に取り組んでいます。 地元の就労支援事業所とも連携して、ハウスで栽培したオリーブの樹木を、来年から試験的に植樹する計画です。 山田晋洋社長 「スローライフという言葉が個人的に引っかかった 自然に寄り添って、産業を育てて、なおかつ収入がある程度確保できる産業に持っていけたら幸せ」 全国的にも例が少ない豪雪地帯でのオリーブ栽培。今後 数年間をかけて可能性を探ることにしています。