市販EVにサーキット専用モデル!? ヒョンデ IONIQ5のレーシングカー「N eN1 Cupカー」がデビュー
ヒョンデの誇る高性能EVがレーシングカーになった
2022年にEV・FCEV専売ブランドとして日本再上陸を果たしたヒョンデ。そんなヒョンデが誇る高性能EV、「IONIQ5」のワンメイクレース専用車両が韓国本国にて発表された。 【画像】ヒョンデ IONIQ5 N eN1 Cup カーのそのほかの写真を見る(8枚) このクルマのベースとなっているのは、日本未導入モデル「IONIQ5 N」。IONIQ5のスポーツモデルにして、最大650馬力を発生する、れっきとしたハイパフォーマンスカーだ。 そして、今回発表の「eN1 Cup カー」は、出力こそ市販モデルからの変化はないものの、過酷なサーキット走行を見据えたさまざまな改造が施されている。 まず、エアロ形状が大幅に見直された。具体的にはリップスポイラーとリヤウィングを装着し、大幅なダウンフォースを得た点がトピック。また、車高を落としてオーバーフェンダーをつけ、トレッドを拡大しコーナリング性能を向上させているところも注目だ。 さらに、軽量化にも抜かりはない。内装などの不要なパーツを取り外すのはもちろんのこと、鍛造ホイールやFRPボンネット、ポリカーボネートウィンドウを採用。これによって、IONIQ5 Nの2100kgという重量からおよそ1970kgへと100kg以上の軽量化が実現された。 また、これまでにないEVならではの演出も持ち合わせている。短時間のみ、普段は封印されている最高出力を出すことができるNGBオーバーブーストや、擬似的に変速動作を行うバーチャルシフト、さらには擬似的にエンジンサウンドを流すことができるN Active Sound +などが装備されている。このN Active Sound +から流れるサウンドは、各レースチームが独自に選んで設定できる。 安全対策として、IONIQ5 N eN1 Cupカーにはロールケージ、レーシングバケットシートとレーシングハーネスといった、カップカーとしては常識的な装備はもちろんのこと、電気火災専用の消火器や窒息消火設備の設置、充電ポート位置の変更など、EV専用の対策も施されている。 なお、このクルマが使用される「ヒョンデ Nフェスティバル」は、韓国国内で最大級のプロ向けワンメイクレースシリーズ。その中にeN1というクラスを設け、そこをこのクルマが走る予定だ。 ヒョンデ N フェスティバルは、4月27日(土)のインジェ・スピーディウムにて開幕戦が行われる。このシリーズでは、1対1のノックアウトレースや従来のスプリントレースなどさまざまな形式のレースが行われる予定だ。 こうした取り組みに対し、Nブランド・マネジメントグループ責任者のパク・ジュン常務は以下のように述べている。 「私たちはeN1クラスを通じて最終的に、EVモータースポーツという舞台における真のリーダーとしてのHyundai Motorの地位を確立し、韓国の活気あるモータースポーツ文化の成長と発展を促進しながら、世界規模で大きなインパクトを与えることを目指しています。私たちは、eN1クラスでレースの未来を変えてモータースポーツを電動化するという新時代への道を切り開く態勢が整っています」 日本でも先日フォーミュラEが開催され、海外ではこのような取り組みもあり、電気自動車を主とする代替エネルギー車でのモータースポーツが現実味を帯びてきた。モータースポーツの文化を途絶えさせないためには、こうした新しいモータースポーツの楽しみ方を、主催、参戦サイドと観戦サイドが一丸となって考えていく必要がありそうだ。
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