カワサキ「Z2」基本コンディションの良し悪しはあるけどまずは調整ありき ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.14
今回、4連バキューム調整作業で気が付いたのは、やはりこのシリーズのキャブにも個体的なクセがあることでした。気筒間バランスの調整時には、そのクセをつかむまでに苦労の繰り返しでした。
そもそも、大きな狂いが無かったのは良かったです。しかしながら、僅かな違い=ズレを、ビシッと一律調整するのは、想像以上に難しかったのがこの750RS/Z2-A後期モデルの4連キャブでした。 仮に、ゲージ接続時に大きく狂っていれば、バキューム調整前にキャブレターを取り外して、4つのスロットルバルブの「閉じ位置」を確実に目視確認してから、微調整=バキューム調整に入らなくてはいけません。大きく狂っているのに、微調整ではどうにも補正できません。
ちなみに、スロットルバルブを目視確認する際に便利なのが「針金」です。メインベンチュリ(キャブボディ本体のメイン通路)に対して、スロットルバルブの開き具合を確認する際に、隙間寸法を測定するのは難題でもあります。 そんなときに、針金をベンチュリ通路の底とスロットルバルブエッジ間に差し込めば、相対比較で隙間の寸法を4気筒共にほぼ同一に調整することができます。 2連キャブ以上なら、バタフライバルブ仕様も含めて、この「針金作戦」は、すべてのモデルに有効です。マルチキャブの「バランス調整時のはじめの一歩」として、覚えておくのが良いと思います。
たぐちかつみ