ECB、6月利下げ後の追加緩和を急ぐべきではない-
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は6月に金利引き下げを開始する公算が大きいが、その後の利下げを急ぐべきでないとの考えをECB政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁が示した。
同総裁はインタビューで、「金融緩和をあまり急がず、インフレ率が持続的に目標に近づいているという確信がデータから得られるまで待つべきだ」と述べた。
国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合のためワシントン入りしたミュラー総裁は、地政学的緊張と原油・エネルギー価格上昇の可能性について、「インフレ見通しに上振れリスクをもたらしている」と指摘し、「引き続き警戒する必要がある」と語った。
同総裁は2カ月後にECBが金利を引き下げ始めるという「幅広いコンセンサス」は「十分に正当化される」とし、「もし経済情勢が予想通りとなれば、年末までさらに数回の利下げは妥当だろう」と述べた。
ECBがスタッフから四半期ごとの見通しを得る会合を重視することに「一定の合理性」があるとしているミュラー総裁だが、「新たなデータが中間的な会合で政策決定に十分な自信を与えてくれる可能性を排除することはできない」とも説明した。
金利変更は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)単位を好むとし、「50bpの引き下げを考える必要はないと思う。漸進的な変更には利点がある」と話した。
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原題:ECB Shouldn’t Rush Further Rate Cuts After June, Muller Says (抜粋)
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Mark Schroers, Alexander Weber