国宝旧開智学校の塔屋に感動 特別公開 長野県松本市
耐震・防災工事で3年半休館し、今月9日に再オープンした長野県松本市の国宝旧開智学校校舎で17日、塔屋などの特別公開が行われた。普段は立ち入ることのできない屋根裏や塔屋に市民らが上がり、学芸員の説明を聞きながら耐震補強工事の様子を見たり、塔屋にある鐘を鳴らしたりする貴重な体験をした。 特別公開は午前と午後に計4回行われ、1回10人ずつが参加した。ヘルメットをかぶった参加者が旧開智学校で学芸員を務める遠藤正教さんの案内で校舎内を見学した。2階の中央付近にあり、普段は施錠されている扉から屋根裏に入ると、耐震化を施した太い梁(はり)などが見られ、参加者は写真を撮るなどした。遠藤さんは「当時の雰囲気を残すためにくぎ一本から再現に工夫した」と説明した。 建物中央部にある塔屋では窓から街並みを眺めたり、中央につられている鐘を鳴らしたりした。開智小学校に通っていたという吉澤正喜さん(65)=松本市開智2=は「開智学校を見ていて、いつか塔屋に昇りたかった。夢がかなった」と喜んだ。信州大学1年生の梅村佑奈さん(19)は「教科書でしか見られなかった開智学校に入れて良かった」と話していた。 塔屋や屋根裏の特別公開は12月1日にもあるが、申し込みは締め切られている。旧開智学校を管理する市立博物館は「定期的な公開を検討しており、来年春に開催できれば」と話していた。
市民タイムス