野村克也が語る「上原浩治」
シーズン途中の引退は球団への気遣いか
ルーキー時代からハイレベルな投球を見せた上原/写真=BBM
巨人・上原浩治が5月20日、現役引退を表明。今後、どうするのかなと思っていたら、「家族と話し合って今後の方針を決める」と言い、昨日(6月3日)、自宅のあるアメリカへ戻っていった。 それにしても、シーズン終了を待たずして引退するのは、珍しい。球団に気を使った面もあるのではないか。このまま中途半端に引っ張ってシーズン終了間際に言われるよりは、早めに言ってもらったほうが球団としても何かと動きやすい。実際、上原も「若手の投げる機会を奪っては、チームに迷惑をかけてしまうから」と言っていたそうだ。 今年、44歳。ピッチャーとしては、長く現役生活を全うしたほうだろう。昨オフ、左ヒザのクリーニング手術に踏み切ったと聞く。やはり人間、誰もが足腰から衰えるということか。その後は本来の球威が戻ることなく、引退の日を迎えてしまった。 上原といえば巨人時代、私は阪神監督として彼と対戦した。99年4月4日の上原プロ初登板が、奇しくもこのカード。そこはきっちり、ライバル球団のルーキーに黒星をつけておいた。ただし、それ以降は3年間で10勝も献上してしまったのだが。 上原の素晴らしさはまず、そのコントロールと“原点能力”の高さにあった。“原点能力”とは・・・
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週刊ベースボール