保存を求める声が上がっている旧門司駅の遺構を移築する北九州市の予算案が8日の市議会で削除されました。現地での保存を求める声が上がっていましたが、記録だけを残して、保存はしないという決議です。 【写真で見る】旧門司駅遺構（提供：北九州市）

北九州市議会　移築する経費を削除する修正動議

森結実子市議

修正案を提出したハートフル北九州　森結実子市議 「本修正議案の趣旨は、移築よりも調査と記録保存です」 北九州市議会では8日、補正予算案のうち、旧門司駅の鉄道遺構を一部切り出して移築する経費2000万円を削除する修正動議が可決されました。

複合公共施設の建設予定地で発見

旧門司駅の遺構は、区役所や図書館などが入る複合公共施設の建設予定地で見つかったもので、北九州市は一部を移築して保存する方針でした。これに対し、文化遺産について提言をする日本イコモスは歴史的価値が極めて高いとして現地での保存を求める要望書を提出していました。

議会は記録だけ残し複合公共施設の建設へ

それが、8日の市議会の決議は移築も現地での保存もせず、記録だけを残して、複合公共施設の建設を求めるものとなっています。 賛成した　ハートフル北九州　森結実子議員 「現地保存求めないつもりでおりますが、何か出てきたらわからないですし、区民の皆様の要望であるのであれば、そこに複合公共施設を建てるべきと考えております」 賛成した自民党・無所属の会　香月耕治団長 「丁寧な記録を残していくということが基本的な考えです」 自民党・無所属の会　鷹木研一郎副団長 「記録はしていただきます。現地に遺構の保存は求めません。早急に現地に（複合公共施設の）建設を求めていきます」

決議に対し武内市長は

北九州市　武内和久市長 「きょうの修正案、実に摩訶不思議なことだったと思います。一生懸命つくった予算が修正されたことは残念なことではありますけど、提案理由、質疑、何が真意なのかは全く理解できなかった」 8日の決議を受け、武内市長はこのように述べ、今後、「対応を検討する」としています。