破滅論者の主張も覆る? 勢い止まらぬ世界のM&A市場…2024年・各エリアの最新状況
産業関連の取引が主流となるAPACのM&A、主役は中国に
2023年もAPACは世界の成長エンジンであり続けました。国際通貨基金(IMF)は、この地域のGDPが昨年4.6%拡大し、2022年の3.9%より増加したと見ています。経済生産高は中国で回復し、インドとASEANの工業国でも拡大が続きました。 国際観光業の回復は、タイ、マレーシア、シンガポールといった国々のサービス業の輸出にプラスの影響を与えました。オーストラリア、マレーシア、インドネシアなどの天然資源国も、世界の商品価格が最近の平均を上回る傾向にあることから恩恵を受けています。 APACのM&Aは産業関連の取引が主流であり、中国経済の成熟は、中国2.0と呼ばれるより洗練された段階へと移行していて、今後しばらくの間は経済活動の主役となるでしょう。 世界第2位の経済大国における発展の新たな段階は、輸出主導の急速な成長から、付加価値産業、技術革新、国内消費に重点を置く、より成熟したバランスの取れた経済への移行を特徴とすることになるでしょう。品質、持続可能性、先端技術の統合の重視は、今後のM&Aのあり方に影響を与えることでしょう。 清水 洋一郎 Datasite 日本責任者
清水 洋一郎
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