ラジカセで街頭演説、議会の質問は手話で 耳の聞こえない市議会議員 前回選挙ではトップ当選した議員の日常に密着
(豊田市・木本文也議長) 「それほど支障なく手話通訳者含め、うちの議会は対応していた。やった時に気付かない点で、改善したこともある」 合理的な配慮さえあれば、障害があっても議員として十分活動出来ることは中島さんの存在が証明しているともいえます。 (豊田市民) 「人の痛みを分かる人は、他人のこともわかると思うので、本当に『変えたい』と思っている人が市議になるのはうれしい」 今では市議としての知名度も上がっている中島さん。2023年4月の市議選でトップ当選を果たしたことも、その現れです。 ■家族に支えられながら、障害者の社会参画を目指す 家で中島さんを支えるのは妻・陽子さんです。 (中島さんの妻・陽子さん) 「結婚した時に『体に気を使いたい』と言って、『豆腐とサラダは絶対に食べさせてくれ』と言われたのでそれだけは毎日やっている。耳が聞こえないというと、聞こえる世界だけで育ってきた人にとっては『耳が聞こえないなんて大変なことだ』と思うが、いざ会ってみると周りとしては、たいしたことない」 出会った当初は手話が全くできなかった陽子さん。筆談から始まりスマートフォンに文字を打つなどして、コミュニケーションを取っていました。少しずつ手話を勉強し、今では手話で会話できるように。さらに一昨年11月、夫婦には女の子が生まれました。 (中島さんの妻・陽子さん) 「気持ちよく過ごせるようにと思うが、お互い選挙の前とかはイライラしがちだったので、大変な時もあった」 別の日、愛知県内では女性議員、障害のある議員らが活動報告を行いました。中島さんがこうした活動をしている背景には、障害者の社会参画が進まない現状があります。民間企業で働いている障害者は約64万人。国・地方自治体などの公的機関では約7万3000人と労働人口の2~3%を占め、年々増えています。しかし政治の世界では…。 (豊田市・中島竜二議員) 「障害者の人口の割合は10%くらい。同じくらいの比率の障害のある議員がいることが理想。現実は難しいかもしれない。いろんな障害者がいて、立候補だけでも勇気がいるし、お金もかかるし支援も必要。かなりハードルが高い」
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