新NISA、年内に口座開設すれば「今年の成長投資枠240万円」をめいっぱい使える iDeCoも年内に間に合えば12月購入分が全額所得控除の対象に
空前の投資ブームを牽引するのが、今年1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)だ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が語る。
「新NISAは投資で得られた利益がすべて非課税になる制度で、年間の投資上限額は『成長投資枠』の240万円、『つみたて投資枠』の120万円を合わせた360万円です。年内に新規口座を開設して投資商品を買えば、成長投資枠240万円分の非課税枠はめいっぱい利用できます」 駆け込みで新NISAを始める場合、マイナンバーカードを活用すれば本人確認書類の準備などの手間が省け、即日で手続きが終わる。税務署の審査を経て1週間程度で口座が開設できる。 風呂内氏が提案するのは日経平均株価などの経済指数に連動した値動きを目指して運用するインデックス型ファンド。 「なかでも国内外の株式、債券、リートなどに均等に投資する『バランスファンド』は1本で効率的に投資先を分散できます」(風呂内氏、以下同) もう少し利益重視の運用を考えるならば、全世界株式(オール・カントリー)が選択肢となる。 「株式に特化しつつもエリアは世界に広く分散でき、より積極的な運用をしたい人に向いています」 インデックス型ファンドは投資家が払う信託報酬が安く、低コストで運用できる点も魅力だ。
iDeCoの加入年齢上限がさらに引き上げられる可能性
他方、新NISAと双璧をなすiDeCoは高い節税効果を誇る。 「掛け金全額が所得控除となり、所得税や住民税が安くなります。通常は約20%課税される運用益も非課税で、受け取る時も一括なら退職所得控除、分割だと公的年金等控除が使えます」 iDeCoは2022年に加入年齢上限が60歳未満から65歳未満に引き上げられ、厚労省は現在、70歳未満への引き上げも検討している。 「口座開設が年内に間に合えば12月に購入した分が全額、2024年分の所得控除の対象になります。早めに始めたほうが節税効果は大きくなるのです」 ただし「引き出し」をめぐる制約がある。 「iDeCoは積み上げた資産が原則として60歳になるまで受け取れず、途中解約はできません。一方でNISAは購入した投資信託を売却していつでも引き出すことが可能です。子や孫の教育費、住宅の購入、買い替えなどまとまったお金が必要になる見込みがあるなら、iDeCoよりNISAが適しています」 ※週刊ポスト2024年11月29日号
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