起業したら「二番煎じを究める」が意外と有効な訳 「成功している誰かのやり方をマネる」が近道
つまり、親和性が高いという意味では、ベンチマークの候補になります。そのお店がどんな見せ方をしているのか? どこの業界に位置しているかによって、候補は広くとらえられるのです。 一方、銀座の蔦屋書店といった書店はベンチマークとして適切ではありません。蔦屋書店の規模感はもちろん、個人では(テナントとして入っている)スターバックスと組むのもむずかしいですし、そもそもマネタイズも異なります。 というのも、カフェや本は、ほかの店舗への呼び水という位置付けだからです。
同じようなビジネスモデルでは、百貨店におけるアート展でしょうか。集客力のあるイベントを最上階で行い、下の店舗で買い物をしてもらおうというシャワー効果をねらったものです。それが今ではアートがカフェや本に変わったという事情です。 業界について知っているというのは、「どんなマネタイズ方法があるのか検討がつく」ことも意味しているので、ここまではっきりと違う業態をベンチマークする可能性はないと思いますが、自分のリソースではマネできない企業のベンチマークはくれぐれも避けるようにしてください。
■現在の自分にマネできるか? 現在の自分にマネできるか。それは人的リソース、資本リソースの2点から考えます。ベンチマークに対して、自分がどのポジションにいるのか次ページの図で確認してみましょう。 (※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) ・Aは人的、資本リソースとともに足りているので、すぐにベンチマーク先をマネできる。 ・Bは人的リソースは足りているが、資本リソースが足りていない。
・Cは資本リソースは足りているが、人的リソースが足りていない。 ・Dは人的リソースも資本リソースも足りていない。 ベンチマークを完コピするためには、現時点でAにいる、またはちょっと努力すればAに行ける必要があります。そのように判断できるなら、ベンチマークは候補として適切です。 ■まずはスキルを身に付ける 足りないものがあったら立ち止まることはデメリットと考えがちですが、実は必要なことなのです。 つまり、それはAにいない状態のこと。現在の立ち位置がBならお金を貯める、もしくは調達する必要があり、Cならスキルを身につけたりする必要があります。