〔国内〕2024年11月の災害を振り返る
2024年11月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。 ※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。 ●11月 【自然災害】鹿児島県・沖縄県で11月としては記録的な大雨 [被害]半壊1軒 床上浸水96軒 床下浸水86軒 2024年11月7日から10日にかけて、高気圧の周辺を回る湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定となり、鹿児島県奄美地方や沖縄県本島北部では猛烈な雨が降った。9日未明には線状降水帯の発生により「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されたほか、同日02:40には鹿児島県奄美地方にある与論町(与論島)に大雨特別警報が発表された。 鹿児島県与論町では、9日08:20までの24時間降水量が594mm、沖縄県東村では9日の24時間降水量が403.5mmを記録し、それぞれ観測史上1位を更新。住宅被害では半壊および床上、床下浸水が合わせて200軒近くみられた。また、ライフラインの被害については、沖縄県大宜味村では9日から13日まで断水が続いたほか、沖縄県国頭村では土砂崩れの影響により、28日現在も一部の地域で停電が継続している。 この大雨により、鹿児島県与論町では「多数の者が生命又は身体に危害を受けるおそれが生じた」ことを理由に11月8日から災害救助法の適用が決定されたが、沖縄県では国への相談が遅れたためにこの基準による適用が見送られることとなった。 【事故】福岡県沖の海上自衛隊掃海艇で火災、沈没し1人不明 [被害]行方不明者1人 負傷者1人 2024年11月10日09:43頃、福岡県宗像市の大島の北方沖約2.3kmを航行していた海上自衛隊の掃海艇「うくしま」で火災が発生した。海自や海上保安庁が消火活動にあたったが難航し、出火から14時間以上経った11日00:05頃に船体が転覆したことで鎮火に至った。その後、掃海艇は11日08:34頃に沈没した。火災発生時、掃海艇に乗っていた約40人のほとんどは海自の別の掃海艇に避難したものの、火元とみられる機関室で作業をしていた30代の隊員1人が取り残され、行方不明となった。また、20代の隊員1人が煙を吸って軽傷を負った。 この火災で、海自は出火から約4時間後の10日14:00頃に「鎮火した」と判断し海保に連絡したものの、約50分後の14:50頃に機関室がまだ燃えていることが判明した。電源が落ち煙が充満していたことで船内の視界が悪く、さらに高熱で機関室に近づくことが難しかったために、確認が不十分なまま鎮火と判断してしまい、結果として被害の拡大を招いた可能性があると報じられている。 【自然災害】石川県西方沖でM6.6、輪島市・志賀町で震度5弱の地震 [被害]負傷者1人 2024年11月26日22:47頃、石川県西方沖を震源とするM6.6の地震が発生し、石川県輪島市と志賀町で震度5弱を観測したほか、東北地方から中国・四国地方にかけての広い範囲で揺れを感じた。 この地震で、石川県津幡町で1人が転倒し、顔に軽傷を負った。また交通機関では、北陸新幹線が富山~金沢駅間で翌27日未明にかけて3時間以上にわたり運転を見合わせるなど、北陸地方の鉄道各線のダイヤが乱れた。 今回の地震について、気象庁は「令和6年能登半島地震」の一連の地震活動としており、今回の地震は1月1日16:10頃に発生した本震(M7.6)に次ぐ規模となっている。一方、今回の地震の震源が1月1日以降の地震活動の領域のさらに西側であったことから別の断層の活動によるものとの見方もある。
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