【広島好き】首位カープ、9月の連戦で鍵を握る4本柱以外の投手は?
個人成績だけでなく、先発試合でのチームの勝敗を見ると、ここでもアドゥワが11勝4敗と高い勝率を残しています。対照的に玉村は4勝6敗と負け越しており、ハッチに至っては1勝4敗と、チームの勝利につながる投球はできていません。森、野村はいずれも1勝1敗で、森は5イニングと4イニング、野村はいずれも5イニングで降板と、似たような結果に終わっています。
アドゥワと玉村の成績を深掘りしてみると、アドゥワは6回以上を投げたのが7試合でQS率は46.7%。8月6日には巨人との首位攻防戦でプロ初完封勝利をマークしています。玉村も6回以上を投げたのが7試合で、こちらはQS率70.0%の好成績。7月30日と8月12日には、いずれも横浜DeNA戦で2試合連続完投勝利を記録して、夏場の苦しい時期のリリーフ陣を助けています。
カード別に見ると、アドゥワが巨人と横浜DeNAから2勝ずつを挙げており、特に巨人戦は3試合で対戦防御率1.83と好相性。逆に横浜DeNA戦は最多の5試合に先発して2敗を喫しており、防御率も3.96となっています。玉村はセ5球団相手に勝ち投手となったのは、前述した横浜DeNA戦の2勝のみですが、中日戦では2試合に先発して勝ち負けなしも、防御率1.50と好投しています。
優勝争いのライバルとなるもう1チーム、阪神相手にはハッチが1試合のみの先発で勝ち投手になっており、森は2試合の先発がいずれも阪神戦で、今季初登板で初勝利をマークしています。ただ、2人とも勝ち試合でも5回で降板しており(ハッチ1失点、森は無失点)、いずれにしてもリリーフの助けが必要になりそうです。
残り30試合余り、『裏ローテ』の先発でどれだけ勝ち星を稼げるのか。ここまで『マジック』とも呼ぶべき巧みな選手起用を見せている新井貴浩監督ですが、全てが決する9月の先発起用に注目しましょう。
文:大久保泰伸
大久保泰伸