愛媛に広がると大変⁉ 侵略植物「ナガエツルノゲイトウ」駆除方法は
特定外来生物に指定されている水草「ナガエツルノゲイトウ」の群落が、昨年から今年にかけて今治市と西条市の2河川で確認されました。 「地球上で最悪の侵略的植物」と呼ばれるほどの繁殖力を持ち、広がれば農作物や地域に大きな悪影響を及ぼします。しかも根や茎からすぐに再生するため、草刈り機などで伐採すると拡散の恐れがあるというのです。 このような「強敵」が、もし愛媛に広がればどのように対応すればよいのでしょうか? 他県ではどうやって駆除しているのでしょうか? (中井有人) 西条市の新川で茂るナガエツルノゲイトウの群落(2024年10月1日撮影) ナガエツルノゲイトウはナデシコ目ヒユ科の多年草です。主に河川や水路に生えますが陸地でも繁殖できます。毒性はないものの、一気に広がって田畑の農作物を収穫できなくしたり生態系に影響を及ぼしたりする恐れがあります。水門を詰まらせて氾濫を起こすなど、防災面での懸念もあります。 やっかいなのは茎や根の切れ端から再生する点です。つまり人間が刈ったとしても、茎や根が少し残ればまた広がってしまうのです。草刈りは意味をなさず、むしろ茎や根が散らばって生育エリアを広げるリスクを伴います。県生物多様性センターは、発見したら伐採せず、すぐ市町に通報するように呼びかけています。県もまた、今治市と西条市で見つかった群落の駆除方法を検討している段階です。 ナガエツルノゲイトウの特徴や注意点を呼びかける県生物多様性センターのチラシの一部 ナガエツルノゲイトウ駆除マニュアルより抜粋(問い合わせ先 農林水産省鳥獣対策・農村環境課) ■他県での苦闘 でも、見つけたまま放置しておくわけにもいけません。どのように駆除すればいいのか、他県に聞いてみることにしました。ナガエツルノゲイトウは国内定着が初確認された1989年以降、各地に拡散しています。2023年の段階で分布は25都府県に広がっているのです。 中でも大規模に繁茂しているのが千葉、滋賀、兵庫の3県です。これらの県には、生息に適した湖や沼、ため池があるという共通点があります。取材したところ、かなり大変な状況であることが分かりました。
愛媛新聞社