メタを欧州委が調査、不適切コンテンツで未成年者が依存症に
(ブルームバーグ): 未成年者を「フェイスブック」や「インスタグラム」の依存症にさせている懸念があるとして、運営会社である米メタ・プラットフォームズに対し欧州連合(EU)が調査を開始した。メタのアルゴリズムは未成年者の弱みを違法に利用していると論じた。
EUの行政執行機関である欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)は、ソーシャルメディアに不適切なコンテンツなどで未成年者を誘い込む「わな」のような仕掛けなど、暫定調査で潜在的な危険信号が多数見つかったと説明。厳格なデジタルサービス法(DSA)に基づく調査を行うと発表した。
欧州委ではメタが「若い欧州市民の心身の健康に悪影響を及ぼすリスクを緩和するため」、プラットフォーム上で十分な措置をとっていると考えることができないと、ブルトン氏は16日の発表文で指摘。フェイスブックとインスタグラムの未成年者に対するプライバシーや安全、セキュリティーの水準が十分かどうかに加え、メタの年齢確認ツールについても検証する意向を示した。
これに対してメタは、未成年者を保護するツールや措置を10年かけて開発してきたと反論し、その作業の詳細を当局と共有する計画だと明らかにした。
欧州委がDSAに基づきメタを調査するのはこれが2件目。DSAへの違反が確認されれば最大で年間売上高の6%に相当する制裁金が科される恐れがあり、違反を繰り返す企業は域内での活動が禁止されることもあり得る。
調査開始は対象企業の規則違反を自動的に意味するものではない。企業はまた欧州委の調査結果について、EUの裁判所などで不服を申し立てることもできる。
原題:Meta Probed by EU Over Algos Hooking Kids to Instagram, Facebook(抜粋)
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Samuel Stolton