別府市営温泉「テルマス」市が取り壊し検討 来年度から数年かけ的ケ浜公園と一体的に再整備へ
2022年春に閉館した大分県の別府市営「北浜温泉(テルマス)」(京町)について、市は取り壊す方向で検討している。築29年で老朽化が進み、新たな活用策が見つからなかった。隣接する的ケ浜公園(約1万6千平方メートル)にテルマスの敷地(約6千平方メートル)を組み入れ、来年度から数年かけて一体的に再整備する。 テルマスは1998年にオープンした。施設は鉄筋2階、延べ1413平方メートル。別府湾に臨む好立地や水着で楽しむ健康浴が特徴だったが、赤字運営などを理由に閉鎖した。市は民間事業者にアイデアを求める「サウンディング型市場調査」を実施し、有効活用の道を探ってきた。 的ケ浜公園は74年開設。近隣住民の憩いの場であるほか、「べっぷ火の海まつり」など大型イベントの会場として使われている。市は「園内のレイアウトが利用実態に合っていない」などとして、利便性向上やバリアフリー化のための大規模改修を計画している。 公園再整備に向けた2日夜の地元説明会で、テルマスの跡地一帯を公園区域に含んだレイアウト案を図示。近くの市営「的ケ浜駐車場」(1837平方メートル)も加え、面積2万4千平方メートルに拡大すると伝えた。 テルマス敷地跡は駐車場を集約的に配置して活用し、展望デッキも置く。現公園エリアは国道10号側に園路、海側にイベントスペースを設けるなど施設配置を見直す。国道沿いの植栽帯も整理し明るさを確保する。 市はレイアウト案を「たたき台」と強調しており、近隣住民らとの意見交換を重ねた後、一体整備の設計を本年度中に固める。工事は複数年度に分け、イベント開催を続けられるよう工夫する。