「海と、森と、人がつなぐ。」知床国立公園60周年・世界遺産20周年記念事業が始まる
周年事業の主要イベントに先駆けて、フォーラムを開催
トークセッションのテーマは、「人生を変える知床の魅力」。以下、4氏が語った“知床の魅力”を要約して紹介しよう。 「知床の魅力は、ひと言では言い表せない。それほどとても深い魅力、未知の自然の世界があります。初めて訪れた際には、とくにそう感じました。とはいえ、自然は美しくも厳しいもの。つねに謙虚な姿勢で自然のなかへ入ってほしい。私たちメーカーも、自然との共生、自然保護というスタンスを軸に、日本人の心が豊かになるような、そんなサポートをしていきたいと考えています」 (ゴールドウイン社長執行役員・渡辺貴生氏)。 「アイヌの人々をはじめ、代々伝わる経験というものが、知床にはしっかりと残っている。これはとてもすばらしい。そんな知床にいると、自分も自然の一部になれる。人間が本来もっていた野性を感じる。それは、人生を豊かにしてくれるものだと思います。ホンモノの自然、濃い自然そのもの。知床は究極のリアル体験をできるすばらしいフィールドです」 (スノーピーク代表取締役社長執行役員・山井太氏)。 「知床は、どこを切り取っても自然。365日、ディープで圧倒的な自然があります。それは、人工物をもって入っていいのか? と感じてしまうほど……。11月になると海が荒れ、海の音が聞こえてきます。それがある日突然、聞こえなくなる。流氷の訪れです。多くのみなさんに、そんな知床の自然の魅力と厳しさに触れあっていただければと思います」 (斜里町長・山内浩彰氏)。 「知床は、いるだけで自然と共生できるところ、自然と共生しなきゃいけないところ。ここに生まれて本当によかった、そう思っています。当たり前のようにある自然、その魅力は外から来たみなさんによって改めて気づかせてもらうことが多くあります。アイヌ語で、羅臼(ラウシ)は、ケモノの骨のあるところ、知床は、地の果て、という意味。それほど厳しい環境ということでしょう。そんなところだからこそ感じることができる感覚、人生観を味わってほしい、体験してほしい、そう思っています」 (羅臼町長・湊屋稔氏)。