2回戦 龍谷大平安8強、盛岡大付に9-1 春日和に投打躍動 /京都
<センバツ2019> 完勝で3年ぶり8強--。第91回選抜高校野球大会第7日の29日、龍谷大平安は第2試合の2回戦で盛岡大付(岩手)と対戦。エース野沢秀伍投手(3年)が12安打されながらも1失点で2試合連続完投し、打線も13安打9得点。前回出場して4強入りした2016年に続くベスト8進出を果たした。原田英彦監督は甲子園通算30勝。今大会2回目の校歌が応援席にこだました。準々決勝は第9日第2試合(31日午前11時開始予定)で明豊(大分)と対戦する。【矢倉健次、秋丸生帆】 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 応援団の中には、特別な思いで試合を迎えた生徒たちもいた。110人を超える部員が集結した龍谷大平安中高の吹奏楽部のうち、今月1日に高校の卒業式を終えた卒業生25人は、これが最後の応援演奏。その中の一人で龍谷大に進学する竹内彩乃さん(18)は「昨夏はむちゃくちゃ暑かったが、春夏通算100勝の試合を見られてよかった。ここで演奏できるのはめったにない経験で、選手ががんばってくれる姿を見るのはうれしい。春の陽気の中で勝って終わりたい」と笑顔を見せた。 一回から試合は大きく動いた。野沢投手が1死から3安打されいきなり満塁のピンチ。応援団から「がんばれ」の声が飛び、固唾(かたず)をのんで見つめる。しかし、ここをエースらしく連続三振で切り抜けると「よっしゃー」と叫ぶ人も。選手もスタンドも緊張がほぐれた。 その裏、北村涼選手(3年)、多田龍平選手(3年)の安打などで作った1死満塁から奥村真大選手(2年)が押し出し四球を選び初戦に続いて先制の打点を挙げた。母美夏さん(49)は「今のところ、いいところで活躍できてます。『甲子園で本塁打を打つ』と周りに言ってるみたいですけど、私には自信の根拠がわかりません」と言いながら目を細めた。 さらに三尾健太郎選手(3年)が2点適時打で追い打ちをかける。和歌山県みなべ町の実家から応援に訪れた父昌司さん(46)は「(延長十一回の犠飛で打点を挙げた)1回戦に続いてよく打った」と拳を握りしめた。 これで流れを引き寄せ、五回に一度は2点差に迫られたが、相手の救援投手を打ち崩し、西川史礁選手(2年)の2打席連続適時打、水谷祥平主将(3年)の適時三塁打などで六回から毎回加点。応援団が余裕を持って見つめる中で勝ちきり、三尾選手は球審に促され、記念のウイングボールをそっと原田英彦監督に渡した。 ◇エアロビ講師も駆けつけエール ○…内野スタンドには、龍谷大平安の選手たちが冬の間に取り入れるエアロビクストレーニングの講師、多田裕子さん(45)も駆けつけた=写真。「バランスの良いしなやかな筋肉をつけること」が目的。マウンドの野沢投手を見つめ、「スムーズな投球動作ができるよう、真面目に取り組んだ成果が出ている」と喜んだ。 ◇走り切って活路 中島大輔選手(3年) 待望の甲子園初安打が出た。六回2死二、三塁から当たり損ないの二塁へのゴロだったが、50メートル5秒台の俊足を生かして一塁セーフ。貴重な6点目となる打点も稼いだ。 「まだ全然だめだが初戦よりは、積極的にいけた。次は外野まで飛ばして先頭打者らしい働きをしたい」と決意を新たに。消極性を原田監督にとがめられることも多かったが、二つの犠打も確実に決め、少しずつ大舞台で躍動感が出てきた。 ……………………………………………………………………………………………………… 盛岡大付 000010000=1 30000321×=9 龍谷大平安 〔京都版〕