サッカーの欧州選手権、イングランドが決勝へ 初優勝目指しスペインと対決
サッカーの欧州選手権(ユーロ)は10日、ドイツ・ドルトムントで準決勝があり、イングランドがオランダを2-1で破って2大会連続で決勝に進んだ。14日(日本時間15日)に悲願の初優勝をかけてスペインと戦う。 イングランドはこの日、開始まもない前半7分に、オランダのシャヴィ・シモンズに先制ゴールを決められた。しかしその約10分後、ハリー・ケインがペナルティーキック(PK)を成功させ、同点に追いついた。 その後は、後半に入っても双方ともゴールを決められず、イングランドにとっては3試合連続となる延長戦に入るかと思われた(イングランドはベスト16のスロヴァキア戦、準々決勝のスイス戦とも延長戦となった)。 しかし、終了間際の後半45分、イングランドはコール・パーマーのパスを受けたオリー・ワトキンスがシュートを決め、劇的な勝利を呼び込んだ。 イングランドは2020年の前回大会でも決勝に進出したが、イタリアにペナルティーキック(PK)戦で敗れている。イングランドはまだこの大会を制したことがない。 対して、9日の準決勝でフランスを2-1で下して決勝に勝ち上がったスペインは、3度の優勝経験がある(1964年、2008年、2012年)。もし4度目の優勝を果たせば、大会新記録となる。 以下、14日にベルリンで行われる頂上決戦を占うデータを紹介する。 ■過去の対戦成績 イングランドとスペインが欧州選手権で対戦するのは3度目だ。過去2試合はいずれもイングランドが勝利している。 初対戦は1980年大会のグループステージ(1次リーグ)で、イングランドが2-1でスペインを下した。ただ、この大会では両チームとも決勝トーナメントには進めなかった。 2度目は1996年大会で、ベスト16で対戦。0-0の末、イングランドがPK戦でスペインを破った。 両チームの主要大会での対戦は、このほかは1950年ワールドカップ(W杯)のみ。グループステージでぶつかり、スペインが1-0で勝利した。 主要大会以外も含めると、直近の対戦は2018年のネーションズリーグになる。この時はイングランドが3-2で勝った。ただし、それ以前の10度の対戦では、イングランドは2勝しかしていない(PK戦を除く)。 ■勝ち上がりぶり イングランドは今大会の決勝トーナメントの組み合わせで、「楽な山」に入ったと見られていた。 対照的にスペインは、これ以上ないというタフなルートから決勝まで進んだ。 まずグループステージで、2018年W杯準優勝のクロアチア、2020年(前回)欧州選手権優勝のイタリアと対戦。ともに下して決勝トーナメントに進出した。 決勝トーナメント準々決勝では、欧州ナンバー2の強豪と目されている開催国ドイツと対戦。これに勝って準決勝に駒を進めると、2018年W杯優勝のフランスとぶつかったが、勝ち上がった。 これだけでもすごいが、スペインはここまでの6試合すべて、PK戦に至らずに勝利しているのも見事だ。 スペインはさらに、ここまで13得点で、今大会の最多ゴール国となっている。 ■スター誕生 スペインは勝ち上がる過程で、スター選手が誕生した。 16歳のラミン・ヤマル(バルセロナ所属)で、クロアチア戦で大会史上最年少の出場記録をつくった。準決勝のフランス戦ではゴールを決め、故ペレ選手(元ブラジル代表)の大会最年少記録を更新した。 さらに、アシストは3、チャンスをつくり出した回数は13に上っており、大会最高選手の1人に挙げられている。 ■BBCコメンテーターらのスペイン評 元イングランド代表アラン・シアラーさん:「スペインは成功するのに必要なものすべてをもっている。だからこそ、この大会ですべての試合に勝ってきた」 同クリス・サットンさん:「彼らを止めるのは難しい。今大会のどのチームともレベルが違うように思える」 同マイカ・リチャーズさん:「スペインについて抱いていた不安は、フランス戦で解消された。状況に適応できるし、ウイングにペースがあれば常にチャンスとなる。本当にバランスが取れていて、優勝候補だと思う」 (英語記事 England to face Spain in Euro 2024 final live on BBC/England beat Netherlands)
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