ファミリーマート、和光市議会棟に出店の予定が…市議会、庁舎貸付議案を否決 光熱費や庁舎使用料を免除 1日の売上げ不足分を市が補填 反対討論の市議「負担が発生する確率が高い」
埼玉県の和光市議会(安保友博議長)は12月議会で、執行部が庁舎の有効活用事業として上程していた議会棟1階のレストラン撤退後の空きスペースにコンビニエンスストアを出店させる貸付議案を否決した。可決されれば、2025年1月から改修工事に着手し、2月中にオープンする予定だった。使用料免除するなどの庁舎貸付議案に絡み、スペースの改修工事費の負担金や運営支援金計約700万円を盛り込んだ24年度一般会計補正予算案は原案通り可決しており、貸付議案に絡む予算は未執行となりそうだ。市総務部は「議員の意見を踏まえた上、善後策を検討したい」としている。 ホンダと日産統合へ 期待と不安交錯「雇用を守って」 埼玉県内の関係者の声
議会事務局によると、同議案は6日、総務環境常任委員会(吉田武司委員長、委員8人)で採決し、欠席者1人と議長、委員長を除く5人全員が賛成した。ところが、議会最終日の19日、3人が反対討論を実施。安保議長を除く議員16人で採決した結果、賛成8、反対8の同数となったため、議長採決で否決された。 反対討論を行った「やさしい未来へ歩む会」の松永靖恵市議は「日商20万円以下の場合は不足分を市が補填(ほてん)する契約だが、営業時間などから見て負担が発生する確率が高い。他の自治体では使用料を免除したり、光熱費を負担しておらず、市民感覚から離れている」と理由を説明している。 議案は同棟1階の空きスペース約122平方メートル(約37坪)にファミリーマートが出店し、平日午前7時から午後7時まで営業。貸付期間は10年間で使用料を免除し、光熱費は市が負担する。改修工事費約3371万円のうち、市は621万円を負担する。
同店舗のスペースが同社店舗の平均面積の半分になるため、1日の売上を半分に見込んでおり、日商20万円を下回った場合、差額分などを市が負担する。このため、市は年間最大460万円の運営支援金を見込んでおり、今年度分(25年2月と3月)は補正で78万円を計上していた。 同議会棟1階は、03年の開設当初からレストランが営業していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大、光熱費や物価高の影響を受け、21年3月に業者が撤退した。市は今年8月から9月にかけて出店業者を公募。応募のあった2社からファミリーマートに決定した。