上杉柊平“幸紀”の重く苦しい気持ちに寄り添う西村拓哉“天使”の言葉が胸を熱くする<ワンルームエンジェル>
上杉柊平と西村拓哉(Lil かんさい)がW主演を務めるドラマ「ワンルームエンジェル」の第3話が11月2日にMBSドラマシャワー枠(毎週木曜深夜1:29-1:59ほか、MBSほか、Huluでも配信)で放送された。幸紀(上杉)が自分の過去を天使(西村)に話す様子が描かれ、幸紀の心に寄り添う天使の言葉に胸が熱くなった。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】ちょこんと座り、スマホを触る天使(西村拓哉) ■「ワンルームエンジェル」とは 原作ははらだが手掛ける、感涙必至の同名コミック。人生投げやりなヤカラ男と記憶喪失中の生意気すぎる天使の不思議なシェアライフを描く。 衝撃的なストーリー展開と心をえぐる心理描写で多くのファンを抱えるはらだが、“史上最も優しい物語”として同作を送り出し、「嗚咽するほど泣いた」「何度読んでも涙が止まらない」と幅広い層に支持されている。「このマンガがすごい!」2020 オンナ編13位受賞ほか、数々の賞を受賞し話題となった。 本ドラマでヤカラ男・幸紀役を務めるのは、ドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(2023年、TBS系)ほか、大河ドラマ「麒麟がくる」(2020~2021年、NHK総合)、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年、NHK総合)、映画「夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く」などの作品で話題を集め、圧倒的な存在感と芝居力で魅了し続ける上杉。 Lil かんさいのビジュアル担当として、はかなげな美貌とトーク力で人気を集め、ドラマ「なれの果ての僕ら」(テレビ東京系ほか)など俳優としても活躍の幅を広げる西村が天使を演じる。また、田中洸希、おいでやす小田、長谷川京子らが共演し、監督は枝優花が務める。 ■幸紀は天使に自分の過去を語り始める 惰性で毎日を送っていたコンビニ店員の幸紀(上杉)は、うっかりチンピラに刺され瀕死(ひんし)になった折、遠のく意識のなかで、真っ白い羽の美しい“天使”(西村)を見る。お迎えかと思いきや、その後すっかり完治して帰宅すると、そこにはあの時の天使がふてぶてしい態度で居座っていた。記憶がなく腹も減ったという天使をふびんに思った幸紀は、仕方なく家に置くことにする。 幸紀の母親・あり紗(長谷川)がワンルームへ押しかけてきたために、急いで押し入れに隠れた天使は、そこで幸紀の過去を聞くことに。 「どんな悪いことしてきたんですか?」と天使に聞かれ、「あれは…6、7年前の話だ」と幸紀は自分の過去を語り始める。 ■幸紀「俺にもいつか罰があんのかな」 いわゆる半グレ集団の末端で、高校卒業したての弟も引き込んでろくでもないことをしていた幸紀。ヤクザに捕まり、弟を差し出すことになり、自分だけ無傷で帰ってくることになる。そして、弟はヤクザの部屋住みとなってしまう。 「天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)に漏らさず、か。俺にもいつか罰があんのかな」とつぶやく幸紀に「それだけ苦しんでまだ罰が欲しいんですか?」と天使は言う。 「弟さんのこと、あなたは悪くないです。…なんて他人事だからこんな偉そうに言えるんでしょうね。自分が同じ目にあっていたら思えないですよ。でも、欲しいでしょ?優しい言葉」と天使が言うと、幸紀は涙目になって「どうしよ。ちょっとキュンとした」と言う。 いい雰囲気になったところで天使が「え、気持ち悪い」と言い放つと、「そういうお前こそ…」と幸紀は言いかけてやめるのだった。 幸紀の背負う過去は重く苦しく、心に寄り添う天使の言葉が胸を熱くした。 ◆構成・文=牧島史佳