NHKドラマ「あんぱん」発表会見を行った今田美桜（左）と北村匠海（撮影・中島郁夫）

　北村匠海（26）が25年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で漫画家やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩（やない・たかし）役に起用され、26日、都内の同局で行われた発表会見に出席した。北村は今作が連続テレビ小説初出演。ヒロイン朝田のぶ役の今田美桜（27）も登壇、今田とは6度目の共演となる。 　今田の「嵩さん」の声かけで登場した北村は「長い間、緊張していました。この日が訪れることを」と目を輝かせた。広瀬すずがヒロインを務めた「なつぞら」のオーディションに挑戦したが不合格。「当時はご縁がなくて、朝の時間に僕の顔は合わないのではないかと思っていました。1つの作品と向き合い続けて全うしたい」と意気込んだ。 　漫画家やなせたかしさんには「あの優しさがアンパンマン。描いているやなせさんもまた、アンパンマンなんだと感じました」。自身も「保育園でなじめない時期に何度も助けてもらった」と回想。「アンパンマンが好きだけど、ジャムおじさんも好き。しょくぱんまんは人生で初めてかっこいいと思ったかも。憧れがあった」と笑顔を見せた。 　今田とは、21年～23年「東京リベンジャーズ」シリーズ、20年放送のTBS系「半沢直樹」シリーズスペシャルドラマ、21年公開「君は月夜に光り輝く」でも共演。ヒロイン役の今田は「撮影期間も長く、夫婦役に緊張もあったんですが安心しました。温かい夫婦を描きたい」と明かした。 　ヒロイン発表数日前、偶然飛行機内で出くわした2人。北村は「その時、漠然と一緒に何かまたやれると思いました。今田さんが現場を柔らかくしてくれる。それがお芝居にも出ている。助けられる瞬間、まぶしくて見られない瞬間も楽しみです」と期待を込めた。【加藤理沙】 　◆あんぱん　「アンパンマン」の生みの親、漫画家やなせたかし（本名・柳瀬嵩）さんと小松暢さん夫妻の半生がモデル。戦前、戦中、戦後の時代を生き抜き、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」を生み出すまでの愛と勇気の物語。現段階で放送初週は子役、10代後半をめどに本役を想定しているという。 　◆北村匠海（きたむら・たくみ）1997年（平9）11月3日生まれ、東京都出身。08年にNHK「みんなのうた」などでデビュー。17年「君の膵臓をたべたい」で主演に抜てきされ、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞など受賞。ほか映画「とんび」「スクロール」「明け方の若者たち」「法廷遊戯」など。ドラマも「仰げば尊し」「教場」「星降る夜に」など出演多数で、現在はTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」出演中。また11年12月に結成したDISH／／として15年に日本武道館公演を開催。21年には「猫」がヒットし、NHK紅白歌合戦初出場。