「大阪を水害から守るで」市消防局が大和川で水防訓練
災害発生に備え、日ごろから防災意識を
土のうを一定のルールで並べ、砂をかけて土のうのすきまを埋める。さらに積み上げ「たこ」と呼ばれる道具でトントンと突き固めていく。そして改良越水止めネット工に取り組んだ。 改良越水止めネット工も、同事務組合が開発。金属製の支柱とネットで陸橋のような構造の枠を作り、枠の中に土のうを積み上げていく。組合関係者によると、大和川右岸の堤防は舗装道路になっているため、堤防に杭を打ち込まなくても可能な水防工法を求めて考案されたという。他府県から視察に訪れていた消防関係者は「初めて知った。参考にしたい」と熱心に訓練を見守っていた。 訓練を指揮した住之江消防署の皆川和朗署長は「水防団指導による水防工法の訓練は、体験する機会が少ない貴重な訓練。参加できなかった署員にも伝えて、全署員で習熟を図りたい」と成果を強調。その上で、市民に「緊急時には気象情報の収集に務めるとともに、日ごろから防災用品をいつでも持ち出せる態勢で準備したり、水害発生の恐れがある地域では、どこに逃げれば安全を確保できるか、ご家族などでよく話し合ってください」と呼びかけた。 大阪市では水害ハザードマップを作成。公式サイトでも公開されており、市民に緊急時の注意と日ごろの備えを喚起している。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)