老年期のうつ病、慢性疾患リスクを大幅に引き上げ…韓国のチームが研究発表
【09月01日 KOREA WAVE】老年期のうつ病が、心血管疾患、糖尿病、高脂血症、腎臓疾患、神経変性疾患など、さまざまな慢性疾患を引き起こす可能性があるとの研究結果が発表された。韓国・江北サムスン病院企業精神健康研究所のオ・デジョン教授と盆唐ソウル大学病院精神健康医学科のキム・ギウン教授による共同研究チームが8月28日が伝えた。 研究チームは、全国の60歳以上の高齢者のうち、複合慢性疾患がない約2700人を無作為に抽出し、うつ病と慢性疾患の関連性を8年間、追跡観察した。 うつ病は、高齢者うつ病尺度(GDS)によって評価され、そのスコアに応じてうつ病の深刻度が分類された。複合慢性疾患は、患者自身の報告、医療記録の検討、身体検査などで把握した病歴情報を複合疾患評価尺度(CIRS)で点数化して評価した。 複合慢性疾患とは、二つ以上の慢性疾患を同時に抱える状態を指す。これまでの研究によると、世界人口の15~43%が複合慢性疾患を患っており、加齢とともにそのリスクは増加する。複合慢性疾患を抱える人がうつ病リスクが高いことはよく知られていたが、逆にうつ病が複合慢性疾患を引き起こすという事実はまだ明らかになっていなかった。 しかし、今回の研究結果によると、うつ病を抱えている高齢者は、うつ病がない高齢者と比べて複合慢性疾患の重症度が増加しており、5つ以上の身体系統に深刻な複合慢性疾患を抱えるリスクが44%増加することが確認された。特に、うつ病が深刻で、何事にも興味や意欲を失う無快感症を伴う場合、深刻な複合慢性疾患を抱えるリスクが87%にまで増加した。 オ・デジョン教授は「老年期のうつ病が単なる精神的問題ではなく、身体的にさまざまな種類の慢性疾患を引き起こすリスクがあることを初めて明らかにした研究結果だ。高齢者のうつ病は、神経内分泌系や自律神経系の機能異常を通じて全身の炎症を増加させ、免疫力を抑制することで、さまざまな慢性疾患を引き起こすと推測される」と指摘する。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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