体育館で勉強する専門学校生も 続く集団避難…受験生“高校は輪島に” 能登半島地震から2か月
輪島市の避難者の1人、中学3年生の山下明日凪さん。高校受験まで2か月を切った今年1月、輪島市から白山市へ同級生と集団で避難しました。 中学3年生 山下明日凪さん(今年1月) 「さみしいですけど、2か月は意外とすぐだと思うので頑張ってこようと思います」 一方、母の明美さんは… 母・山下明美さん(今年1月) 「親としては、2か月というのが長いですよね。行っちゃうと行っちゃうでさみしくなる」 その後の状況はどうなのか、藤井キャスターが母・明美さんに話を聞きました。 母・山下明美さん 「受験生だから親としてはさみしいけど、お風呂もちゃんとしていて、ご飯もちゃんとしていてというところで落ち着いて勉強した方がいいし」 明日凪さんは来週、高校受験を迎えます。 母・山下明美さん 「受験が6日・7日なんですよね」 藤井キャスター 「3月6日・7日といいますと、もう1週間切っているくらい」 母・山下明美さん 「そうですね、勉強しているかしら」 娘が勉強できているのか。輪島市で自営業をしている明美さんは、離ればなれの生活のため直接確認することはできません。 明日凪さんは今、どのような心境なのでしょうか。母・明美さんが電話すると… 母・山下明美さん 「おお、明日凪」 直接会えたのは、避難してからわずか2回。 母・山下明美さん 「帰ってきたいなって思う?」 山下明日凪さん 「うーん、たまには帰りたい」 明美さんには毎年楽しみにしていることがあるといいます。 母・山下明美さん 「3月9日って母ちゃんの誕生日だよね、卒業式終わったらケーキ作ってくれるんね」 山下明日凪さん 「いいよー」 地元・輪島市の高校を受験する明日凪さん。 山下明日凪さん 「やっぱり地元のほうが慣れているし、いいかなと思ったので輪島(の高校)で」 輪島市では一部の地区を除き、中学生の集団避難が卒業式などに合わせて今月中に終了する方針です。 ◇ 藤井キャスター 「卒業式が終われば桜が咲く春がやってきます。多くの被災者が春を待っています。ただ、避難所にいたある人が、『被災地が動き始めた現状を伝えてもらうのはいいが、その何倍も苦しい状況が残っているんだ』と話してくれました」 「進み始めた被災地を見て安心すると、助けを必要とする人が孤立する可能性があります。ボランティアのみなさんの力を含め、能登半島に、被災地に気持ちを送り続けることが大切です」