成長できていない…? レンタル先で苦しんでいるJリーグの逸材(6)実力はあるのに…。不遇扱いの「ネクスト山口蛍」
今季もJリーグでは多くの若手選手がレンタル移籍で自身の成長を求めている。ここで活躍し、来季は所属元で主力というシナリオが理想的だが、当然ながら全員がうまくいくわけではない。今回は、早くもレンタル先で苦しんでいるJリーグの逸材選手を紹介する(スタッツは5月9日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照)。
MF:松本凪生(まつもと・なぎ) 生年月日:2001年9月4日 保有元クラブ:セレッソ大阪 レンタル先クラブ:モンテディオ山形(J2) 今季リーグ戦成績:7試合0ゴール0アシスト 「ネクスト山口蛍」とも呼ばれていたMF松本凪生は、モンテディオ山形でプレータイムを欲している。 現在22歳の松本は、世代別日本代表に何度も招集された経験をもつタレントだ。同選手は、卓越したボール奪取能力と状況判断力で素早いトランジション(攻守の切り替え)を可能にする。右足のキック精度の高さにも定評があり、鋭いパスを差し込むだけでなく、セットプレーのキッカーを務めることもしばしばだ。ピッチ上での役割と強烈なミドルシュートでゴールを脅かすシーンから、そのプレースタイルを同じセレッソ大阪ユース出身のMF山口蛍と重ねられることもあった。 そんな松本は、2020年にC大阪でトップチームデビューを果たすと、翌2021年に栃木SC、2022年にはヴァンフォーレ甲府へレンタル移籍。栃木には1シーズンの在籍、甲府へは2シーズンの在籍となったが、どちらのクラブでも毎年リーグ戦30試合近くに出場してきた。 しかし、今季からレンタル移籍した山形では控えが定位置となり、リーグ戦で先発に名を連ねたのはわずか1試合。渡邉晋監督の元では、途中出場での起用がメインとなっている。 直近のリーグ第14節レノファ山口戦では、ベンチメンバーにも入っておらず、いかなる理由であれアピールできていないことに変わりはない。松本の実力とこれまで積み重ねてきた実績を考えれば、残念で仕方がないことは確かだ。次の試合では、ピッチで躍動する松本の姿を見ることができるだろうか。
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