センバツ高校野球 山梨学院、連覇ならず 全力プレーに温かい拍手 /山梨
第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は大会第9日の28日、準々決勝4試合があった。山梨学院は健大高崎(群馬)と対戦し、1―6で敗れた。センバツ連覇の夢には手が届かなかったが、最後まで諦めない全力プレーを見せた選手たちに、スタンドからは温かい拍手が送られた。【野原寛史、小坂春乃】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 甲子園のアルプススタンドは、この日も多くの応援団が集結。試合ごとにバスで片道8時間をかけて山梨県と行き来している吹奏楽部の清水俊吾部長(3年)は「バス移動が続いて疲れもあるが、部員の雰囲気はいい。今日も応援を盛り上げたい」と意気込んだ。 先発は1、2回戦に続き、左腕の津島悠翔(2年)。序盤は緩急を生かした投球で相手打線を翻弄(ほんろう)し、試合は投手戦となった。しかし、三回ごろに左手中指の爪が割れて出血。津島はユニホームを血だらけにしながら力投したが「気持ちで負けてしまった」と制球が乱れ、五回に3適時打を浴びて4点を失い、無念の降板となった。 試合前、3点程度の勝負と語っていた吉田洸二監督の想定より厳しい展開となったが、応援団は一層力強い応援でナインを鼓舞した。1番打者の黒沢后琉(3年)の父・俊弘さん(43)は「相手投手のペースに飲み込まれている。いつも通りの打撃でここから逆転してほしい」と話し、戦況を見つめた。 山梨学院は六、八回に満塁機を作るが、河内佑樹(3年)の犠飛で1点を返すにとどまった。九回の攻撃が3者凡退で終わるとスタンドは静まりかえったが、選手たちがあいさつに駆け寄ってくると、ねぎらいの拍手が送られた。左翼手の二村仁功(にこう)(3年)の父・圭司さん(52)は「大会前は二つも勝てるとは思わなかったが悔しい。負けた選手たちも悔しいだろう。昨年は夏に戻って来られなかったので、甲子園にまた来られるように頑張ってほしい」と激励した。