4人の「不起訴不当」 福島県郡山市の爆発事故で福島検察審査会議決
福島県郡山市にあった飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020(令和2)年7月、ガス爆発により32人が死傷した事故で、福島検察審査会は業務上過失致死傷容疑で書類送検された4人の不起訴処分を不当と議決した。議決は23日付。福島地検は再捜査する。 4人は運営会社社長とガス管設置などを担当していた工事業者2人、ガス設備の法定点検を担った保安機関の担当者。 検審はガス管の標準的な施工方法の確認や同業他社の法定点検の手法を比較する再現実験を行うなどし、過失の有無を追加捜査するよう求めた。社長については、店長らに対する態度がガス管のさびを報告する機会を奪った要因の一つと指摘。「コンプライアンスや経営者の社会的責任などが重要視されるようになった社会情勢の変化に応じ、再度、起訴の可否を判断するよう求める」とした。 福島地検の保木本正樹次席検事は「議決内容を精査し、所要の捜査を行った上で適切に対処したい」とコメントした。
重傷を負い、検審に申し立てた美容師の女性(50)は、代理人弁護士を通じて「ほっとした。ここからがスタートだと思っている」との談話を出した。 事故で死亡し、容疑者死亡のため不起訴となった仙台市の内装業男性=当時(50)=の遺族は、年内に検審に申し立てる予定。 ■爆発事故を巡る経緯 2020年 7月30日 午前8時55分ごろ爆発。内装業者の男性死亡、31人重軽傷 2021年 9月2日 郡山署が運営会社社長ら4人を業務上過失致死傷容疑、死亡した内装業者の男性を業務上過失傷害容疑で書類送検 2023年 3月31日 福島地検が5人を不起訴処分 4月12日 郡山市の美容師の女性が死亡した男性以外の4人について福島検察審査会に審査を申し立て 2024年 1月23日 福島検察審査会が「不起訴不当」を議決