「若すぎる」批判も対話集会35回でカバー 全国最年少28歳の埼玉・鳩山町、小川知也新町長
7日投開票の埼玉県鳩山町長選で現職らを破り初当選を果たした無所属新人の小川知也氏(28)。全国町村会によると、全国最年少の町長になる。小川氏は自身の特徴を「行動力と傾聴力」と強調する。出馬表明後は町民から「若すぎる」との批判もあったが、対話集会を重ね町民を納得させてきた。当選で「町民に期待されていることを実感した」と話し、「期待に応えないといけない」と町政運営に向けて気合を入れている。 小川氏は平成8年4月14日生まれで鳩山町出身。早稲田大卒業後、サラリーマン生活を経て令和5年から衆院議員秘書を務めていた。祖父と父は町議を務めており、子供のころから政治に興味があったという。 町長選に出馬することを決めたのは6年になってから。2月に他の候補に先駆けて出馬表明をした。 「経理をしていたサラリーマン時代の経験を生かして町の財務を分析したら純資産が年間2億円ずつ減少していた。今、手を打たないと将来に向けての投資もできなくなると危機感を持った。チャンスは4年に1回しかないので、今だと思った」と出馬動機を語る。 地盤はなく、地元の知人らの力を借りて後援会づくりから始めた。「そうしたノウハウはなかったので苦労した」と笑う。また、カネもなく事務所は閉店した酒店の店舗を居抜きで借りて、自分たちの力で内装を整えたという。 苦労してまで町長選出馬に向かわせたのは、高校2年で「鳩山町の企業誘致による財政の影響」という論文を執筆するほどの地元への愛着。「若いからこそ体力があるので、シティーセールスに動き回ることができる」と話す。 出馬表明後は「若すぎる」との批判もあったが、持ち前の行動力を生かして35回もの対話集会を開催。参加者の意見に耳を傾けたうえで話をし、最終的には参加したほとんどの町民に「任せる」と言ってもらったという。また、「経験不足」との声には「分からないのは当たり前で、教えてもらえばいい」。 全国最年少町長については「ああ、そうなんだ」程度の思いしかないそうだ。町長として取り組みたいこととして、農業面では鳩山産農産物のブランド化と特産品の発掘。まちの活性化では増えている空き家を活用した小規模企業誘致としている。
初登庁は16日。若い力の手腕に注目が集まる。