範囲広げ不明者捜索 奥能登豪雨、輪島の海岸など
奥能登豪雨で安否が分からなくなった人の捜索は、30日も輪島市や能登町で続いた。消防、警察、自衛隊、第9管区海上保安本部に加え、前日に引き続いて輪島市の漁師も手掛かりがないか漁船から目を凝らした。 輪島市久手川(ふてがわ)町の塚田川周辺では、消防や警察などが約310人態勢で輪島中3年の喜三翼音(きそはのん)さん(14)を捜した。漁師や海女約60人が漁船14隻に乗り組み、捜索範囲を珠洲側に大幅に広げて海岸の沖合200~300メートルの場所を2時間半にわたって調べた。 海士(あま)町船主会の細道龍一会長(48)は地震による海底の隆起や豪雨による流木で海岸の近くまで行けない場所もあったとし「なんとしても見つけてあげたかったが、海中が茶色く濁り、手掛かりすら得るのが難しかった」ともどかしさを口にした。 能登町久田周辺の河川や町野川流域では、輪島市町野町寺地の中山美紀さん(31)の捜索が消防や警察、自衛隊の計235人で続いた。 豪雨で床上浸水した輪島市内の仮設住宅団地では、復旧工事に伴って住民が一時的に転居するため、市職員らと面談して、鍵を返却した。