魚の皮がおしゃれな皮製品に!「ひみ寒ぶり」で有名な富山県氷見市で魚を使った意外な取り組み
2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。 テレ朝POSTでは、さまざまな課題に取り組み、暮らしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。 今回取り上げるのは、廃棄されるはずだった魚の皮を有効活用している野口朋寿さん(シンクシー代表取締役)。 野口さん:「私たちは、地元の鮮魚店などから出た魚の皮をフィッシュレザーのアイテムとして加工して、さまざまな商品を作っています」
牛や羊などのレザーと違い、フィッシュレザーは表面にそれぞれの魚が持つ鱗の形が浮き出ているのが特徴。 野口さんはそのフィッシュレザーを加工し、財布などの革製品に作り変えている。加工はすべて手作業で行われているという。
◆「廃棄されていたものに実は価値がある」
大学生の頃、革を加工するなめしの技術を研究していた野口さん。 野口さん:「新しい素材でレザーを作りたいと考えていたときに、地元で獲れた魚の皮が大量に廃棄されている現実を知り、これらを廃棄せずに資源として生かせないかと思ったのがきっかけでこの取り組みをはじめました」 大量廃棄の現状をなんとかしたいと思ってはじめた事業だが、商品を手にした客から「唯一無二の見た目に惹かれたと同時に、環境に配慮した想いに共感して購入しました」という声をもらったことも。 フィッシュレザーの加工技術は、経済基盤が脆弱ともいわれるサモアの人々にも伝えられ、現地が抱える社会問題の解決につながる取り組みとして期待されている。 “魚の皮を捨てない”未来を作る野口さんは、叶えたい夢についてこう語った。 野口さん:「もともと富山県氷見市ではじめた小さな取り組みですが、このフィッシュレザーを通して、これまで廃棄されていたさまざまなものに実は価値があるんだという考え方が社会に根付いてほしいと思っています」