『鬼滅の刃』の謎 上弦の鬼すら倒した炭治郎が鬼殺隊の「柱」にならない理由とは?
【※ネタバレ注意】以下の内容には、アニメ、既刊のコミックスのネタバレが一部含まれます。 【写真】鬼殺隊「最強」と言われる“柱”はこちら 『鬼滅の刃』アニメ新シリーズ「柱稽古編」が12日(日)夜11時15分からスタートした。「柱稽古」とは、鬼殺隊の上位実力者である「柱」と呼ばれる剣士たちが、後輩の実力底上げとして行う訓練のことである。通常、柱と他の隊士たちの間には大きな実力差があるが、竈門炭治郎はこれまで「上弦の鬼」と呼ばれる最強クラスの鬼でさえも、柱や仲間たちと連続で撃破してきた。そんな炭治郎の実力は相当なものだと思われるが、柱になる様子はまだない。なぜ炭治郎は柱に“ならない”のか――その謎を考察する。 * * * ■鬼殺隊の「柱」 鬼殺隊の「柱」と呼ばれる9人の剣士の実力は圧倒的で、鬼を滅殺できる力を持っている。柱以外に、一歩もひかずに鬼と戦うことができる剣士はごく少数だ。鬼殺隊の総領・産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)は、柱についてこのように説明している。 「鬼殺隊の柱たちは 当然抜きん出た才能がある 血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げて 死線をくぐり 十二鬼月をも倒している だからこそ柱は尊敬され優遇されるんだよ」(産屋敷耀哉/6巻・第47話) 「十二鬼月」とは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)が選んだ鬼の精鋭たちのこと。実力順に数字が与えられており、上から「上弦の鬼」「下弦の鬼」で構成されている。鬼殺隊で柱になれるかどうかは、この「十二鬼月」を討ち取った経験があるかないかに、左右されているようだ。
■「柱」になるための試金石 のちのエピソードで、風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)が、「下弦の壱(=1)」を仲間とともに倒し、その戦闘で生き残った自分だけが、柱になったと回想する場面がある。これによって、先に述べた耀哉の言葉の通りであることがわかる。 さらに、彼の実弟である玄弥も、刀鍛冶の里の戦いの最中に、炭治郎に向かって「上弦を倒すのは…俺だ!!!」「お前なんかよりも先に俺が… 柱になるのは俺だ!!!」と怒鳴る場面があった。やはり「十二鬼月」との戦闘を重視している。 「上弦の陸(=6)を倒したのはお前(※炭治郎のこと)の力じゃない だからお前は柱になってない」(不死川玄弥/13巻・第113話) 玄弥を含む一般隊士たちも、柱になるための条件をそのように理解していることが、話中で示されていた。 ■炭治郎の「十二鬼月」との戦闘経験 刀鍛冶の里で、炭治郎は「上弦の肆(=4)」の半天狗を見事に討ち取っていた。それ以前の戦闘をかえりみても、水柱・冨岡義勇の助けを借りて「下弦の伍(=5)」の累と戦い、炎柱・煉獄杏寿郎と仲間の善逸の助力を得ながら、伊之助とともに「下弦の壱(=1)」魘夢を倒した。さらに、遊郭の戦いでは、音柱・宇髄天元、伊之助、善逸と一緒に「上弦の陸(6)」の妓夫太郎・堕姫に勝利している。 「遊郭の戦い」シリーズまでは、炭治郎は柱からの手助けをかなり必要としていて、決め手に欠ける様子が見受けられたものの、半天狗本体の首は、炭治郎自身が斬り落としている。新しく手に入れた日輪刀の作用も大きいのだが、ここにきて炭治郎の実力が上昇していることは明らかである。 炭治郎が持っている「引きの強さ」やこれまでの戦闘経験をあわせてみれば、炭治郎が柱になることも、それほど不思議なことではないように思える。しかし、それでも炭治郎はまだ柱になる様子はない。それはなぜなのか。