城氏が指摘「現状では本田圭佑はロシアW杯メンバーから落選する」
その柴崎に加えて、いい経験の場を踏んだのは、1点を追う後半22分に代表初出場を果たした杉本だ。ゴール前に抜け出してボールをもらったが、サウジのディフェンスと1対1になって思うようなプレーをさせてもらえなかった。Jリーグとは一段階上にあるアジアのレベルを実感できたと思う。高さという武器を持つ杉本にとって、この数分間の体験は大きな収穫だったに違いない。 さてワールドカップの最終予選が終わり、ここから来年6月の本番までの数か月が重要な時間になる。私は何度も指摘しているが、選手のサバイバルテストは早めに終えて、まずチームのベースを固めることが必要だと考える。12月1日の組み合わせ抽選後に、対戦チームを分析、対戦チーム毎に応じた戦術、メンバーを考えて戦うリアクションサッカーがハリルのスタイルかもしれないが、代表で組める合宿の日数や、試合数は限られている。なおのこと連携のレベルを高め、共通認識を深めるためにも、チームのベースを早く固めておく必要がある。そうでなければ、いつまでたっても日本のサッカーのスタイルを確立することはできない。 では現時点でレギュラーが保証されているのは誰なのか。 キーパーの川島、センターバックの吉田、フォワードの大迫、そして、急成長を遂げているインサイドハーフの井手口くらいではないだろうか。長友、酒井宏の両サイドバックは、保証と言うよりも、交代メンバー候補の層が薄く、競争が活発化していない。他のポジションは、前述した本田、岡崎、香川のベテランの生き残りも含めて、サバイバルが続くのかもしれないが、さらに世代交代が進み若いメンバーがチームのベースになる可能性が高いと見ている。 (文責・城彰二/元日本代表FW)