28歳派遣社員の独身男性が青ざめた…実家住みで貯めた「950万円」で株を買ったら「とんでもないこと」に
大統領選で株価が…
2020年11月3日、アメリカで大統領選挙が行われました。 その結果は、皆さんもご存じの通り。バイデン氏がトランプ氏を破り、大統領に就任することが決まりました。 事前の観測では、トランプ当選なら株高、バイデン当選なら株安と見られていました。しかし、実際にはバイデン氏が当選したことにより、不確実要素が払しょくされたために、米国の株式市場は一転して暴騰します。 高岡さんは、この時、現金の100万円も追加し、850万円分の株式を保有していました。しかも、その大半は「ハイテクグロース」と呼ばれるIT・テクノロジー系の成長企業の株式。これらの株は、株価が乱高下しやすく、大変リスクの高い投資であったと言えます。 ところが、大統領選後の株式市場の暴騰により、高岡さんはまたしても大儲け。850万円の資産は、一気に、1200万円にまで増えます。これで、当初資金からは250万円のプラス。 アメリカの「ハイテクグロース」と呼ばれる株がいかに短期間で値動きするかがよくわかります。 「やっぱり、投資は儲かる…!」 と高岡さんは再び投資の沼へと引きづりこまれていきました。手取り年収で200万円そこそこの高岡さんですから、その1年分のお金をあっという間に稼げてしまったとなれば、投資にハマってしまうのも無理はないでしょう。
出会ってしまった、「ヤバい株」
年が明けて2021年1月。高岡さんは「とんでもない株」を見つけてしまいました。 それが、「ゲームストップ」という企業の株式です。この会社は、ゲームソフトを販売する小売の企業。はっきり言って、業績は芳しくありませんでした。 では、なぜ高岡さんはこの銘柄に注目したのでしょうか? それは、この時、この株が「常軌を逸した暴騰」をしていたためです。 2020年12月31日の時点で、同企業の株価は18.84ドル。それが、1月15日には35.50ドル。1月22日には65.01ドル。その後もどんどん上昇を続けていきました。 高岡さんがこの株の存在に気づいたのは、約120ドルに達していた時。この時、まだ株価はさらなる上昇を続けている最中でした。 なぜ、この株はこれほど暴騰していたのでしょうか? それは、この株が(のちに)「ミーム株」と呼ばれる、ネット上で話題となった株だったためです。アメリカにはRedditという巨大掲示板があるのですが、この掲示板を中心に、ネットユーザーたちが示し合わせて「ゲームストップの株をみんなで買って、株価を吊り上げよう」という運動を起こしていました。 もちろん、この行為が「株価操縦」という違法行為に当たるのではないかという声もありましたが、ネットユーザーたちはそんな意見はお構いなしにゲームストップ株をひたすら購入して値段を吊り上げていきました。このとき、アメリカの参加者たちは主に「ロビンフッド」という投資アプリを利用していたために、彼らは「ロビンフッダー」と呼ばれていました。 その「ロビンフッダー」たちの波に乗って、高岡さんもゲームストップ株を10万円ほど購入。勢いは止まらず、なんと数日で株価が2倍近くになります。 これに慌てた高岡さん。儲けたはずが、「このビッグチャンスを失ってはまずい」とかえって不安を募らせました。 ここまで簡単に倍になったのだから、このあともまた倍になるはず――そう考えた高岡さんは、なんと資金の全額・約1200万円をゲームストップ株に投じてしまいます。 その後、ゲームストップの株価は483ドルまで上がりました。