カラスをタカで追い払い 果樹産地が新たな一手 愛知・JA尾張中央
愛知県のJA尾張中央は、カラスから桃を守るために、タカによる追い払いを始めた。園地にワイヤーを張るなどで対策してきたが、カラスの数が増え、対処しきれない園地も出てきたため。カラスの強い縄張り意識を逆手に取り、タカが一定期間追い払い続けることで、カラスにタカのテリトリーを認識させ、すみかを変えさせる。 果樹栽培が盛んなJA管内の小牧地域では近年、カラスによる果樹被害が相次いで報告されている。特に桃栽培では袋がけの袋が100枚以上も落とされたり、未成熟果を突かれたりするなどの被害が拡大していた。 タカによる追い払いはJA営農指導課が(株)鷹匠(静岡県浜松市)と協力し、6月から来年3月にかけて、同地域を中心に計34回の実施を予定する。追い払いの効果は限定的だとされているため、抜本的な対策としてわなでの捕獲による個体数の削減も試みる。 同社の伊藤颯さんは「タカには個体ごとに得意な現場があるので、状況に合わせて臨機応変に使い分ける。カラスは頭が良いので、慣れさせず、一気に追い込むことが重要だ」と話す。今回の活動にはJA共済の助成金を活用する。
日本農業新聞