米車突入テロ「単独犯」とFBI テスラ爆発「明確なつながりなし」
米南部ルイジアナ州ニューオーリンズ中心部で車が群衆に突っ込んで50人近くが死傷した事件で、米連邦捜査局(FBI)は2日、シャムスディン・ジャバール容疑者(42)が単独で実行したテロ事件との見方を示した。西部ラスベガスにあるトランプ次期大統領の一族企業のホテル前で起きた爆発は、現時点で「明確なつながりがない」とした。 【写真まとめ】車が突っ込んだ現場付近の様子 FBIは、ジャバール容疑者のソーシャルメディアのアカウントや関係者への聞き取り、回収した携帯電話の通話記録などを基にした初期捜査で「容疑者は今回の攻撃で誰の協力も受けていない」と判断したという。 ジャバール容疑者は、事件の数時間前から立て続けに5本の動画をフェイスブックに投稿していた。FBIの説明によると、動画では昨年夏より前に過激派組織「イスラム国」(IS)に参加したと述べていた。攻撃については、当初は親族や知人を標的にすることを計画していた。しかし、事件に関する報道の見出しで「信者と非信者との争い」に焦点をあてさせるために計画を変更したと言及したという。 また、FBIはテロによる死者数を当初発表より1人少ない14人に修正した。 一方、バイデン大統領は2日の演説で、ジャバール容疑者が現場付近の2カ所にアイスボックスに入れた爆弾を仕掛けていたと明らかにした。容疑者は爆弾の起爆装置も所持しており、爆発していれば被害が拡大していた恐れがある。 バイデン氏は2日、ホワイトハウスで、ガーランド司法長官やマヨルカス国土安全保障長官ら関係閣僚から事件に関する報告を受けた。 事件は1日未明に飲食店などが並ぶにぎやかな通りで発生。ピックアップトラックが、通行規制をしていた警察車両などを避け歩道に乗り上げて通りに侵入し、新年を祝うために集まった人たちを次々とはねた。車が構造物に衝突して止まると、運転していたジャバール容疑者は発砲し、現場で応戦した警察官に射殺された。【ニューヨーク八田浩輔、ワシントン秋山信一】