「いずれは家を売ったお金で老人ホームに」と考えている人が知っておきたいリスクとは?
高齢者施設は行きやすく帰りやすい状態に整えておくのがベスト
時間をかけて施設を選んでも、施設を出なければならない事情が生じることがあります。高齢者施設に住み替えるということは、自宅が施設になるということですので、万一、出ていかなければならない場合、一から住まいを探さなければならなくなってしまいます。 年齢を重ねてからの住まい探しは若いときよりも困難になることが少なくありません。そこで大切になってくるのが、「行きやすく帰りやすい」という状態で入所することなのです。 可能であれば、売却した資金のすべてを使わずに、万一に備えてストックしておく。あらかじめ子どもと話し合い、万一のことが起こったときには、どのように対処するのかを決めておくこと等が必要です。 高齢者施設を出ていくとき、入所期間が短期であれば、一時金の一部が戻ってくることは多いです。ただし、償却期間は早く、戻り率も低く設定されています。それらを元手に以前と同じようなマイホームを手に入れるのは難しいと考えたほうがよいでしょう。
失敗しない施設選びでするべきこと
資金のシミュレーションをするのはもちろんですが、体験入所、宿泊をして、施設や入所者の人々とあうのかを確かめることも必要です。もし、すでに築き上げられている人間関係の輪に入りにくいようなら、新設の施設に入所するのも手です。 いずれにしても、家族と相談しながら、複数の施設を見学してから自分と家族が納得できる施設を選んでください。 たとえ良い施設であっても、行きやすく帰りやすい状態を整えておくと安心です。 執筆者:飯田道子 ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
ファイナンシャルフィールド編集部