米粒の白濁化、作付面積5割で発生 記録的猛暑と少雨が影響
2023年産米の作付面積の5割程度で米粒が白濁する白未熟粒が発生し、同2割程度だった前年から大きく上昇したことが農水省の調査で分かった。登熟期に記録的な高温と少雨に見舞われたことが響いた。主産地の北日本と東日本で発生割合が大きく上昇した。 白未熟粒は、登熟期の高温ででんぷんの蓄積が滞って隙間ができ、白く濁る米。各県から報告を受けた発生割合を基に、同省が推計した。 地域別に見ると北日本と東日本でいずれも5割程度となり、それぞれ1割、2割程度だった22年産より高くなった。西日本は22年産と同じ4割程度だった。粒の充実不足や虫害の発生、生育不良、胴割れ粒の発生、登熟不良はいずれも全国では1割程度で、前年と同様の傾向だった。 生産現場で実践された高温対策も各県から聞き取った。最も多く行われたのが水管理の徹底で、白未熟粒や胴割れ粒の抑制対策として行われている。追肥や高温耐性品種を含む品種の変更、新品種の導入なども多かった。 同省はこうした調査結果を、2023年版の温暖化レポートの中でまとめた。 23年は、夏の気温が1898年以降で最も高かった。降水量も少なかった。このため、稲を冷やすためのかけ流しなどの水管理対策が十分にできなかった地域もあった。1等米比率は60・9%(3月末時点)と過去最低に落ち込んだ。
日本農業新聞