未勝利の巨人・内海 なぜ勝てないのか
三宅さんが言う権藤さんとは、大洋、東映、阪神でプレーして最優秀防御率タイトルも獲得した権藤正利投手のこと。大洋時代に1955年7月19日対広島戦から1957年6月2日対阪神まで28連敗を記録。これは、今なお、破られない不名誉なワースト記録だ。完封勝利で、連敗を脱出したときは、全ナインに祝福されたそうだが、このときも、好投しても、打てない、守れないの“魔の連敗ループ”から抜け出せなかったという。 さて、内海が“魔の連敗ループ”から抜け出すための手段は何か。原監督は、「ローテーから外すつもりもない。つめが甘く同じような展開になっているだけ。ピッチング自体は悪くない。キレも出てきている。コースもつけるようになっている」と、静の構え。だが、このまま、次も勝てなければ、なんらかの手立ては必要だろう。 与田さんは「本人の意向を聞いた上でローテーを変えてリフレッシュしたり、中継ぎというポジションで一度投げて立ち直るきっかけをつかんでもいいのではないか」という考え。三宅さんは「それこそ、勝利タイトルを争っている投手がシーズンの最後にやるように、4回が終わったくらいの勝ちのつく状況でポンと中継ぎで起用して、勝ちをつけてあげてもいいのでは。それほど白星というのは、投手にとって大きいもの。ひとつ勝てば、その後は、本来の結果を残していくんだろうと思う」と提言した。 連敗をしていても、誰よりも早く球場に現れて、走りこみに汗を流す内海の姿は変わらない。そのひたむきな姿勢が、勝てなくともナインや首脳陣の支持を受けている理由だが、果たして、内海は、いつトンネルを抜け出すことができるのだろうか?