【芳根京子さんインタビュー】『映画ドラえもん』声でプラスのエネルギーを発することにこだわりました
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クリッと丸い瞳にあどけなさを残しながら、近頃グッと大人っぽさが増した芳根京子さん。撮影時もドキッとするようなアンニュイな表情を覗かせたかと思うと、クシャッと少女のような笑顔に戻り、“さすが役者”と唸らせます。そんな変幻自在の演技力が高く評価される芳根さんが、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』にゲスト出演しました。扮するは、世界的な歌姫ミーナ。 「ミーナは世界中から愛されている存在なので、声を当てるうえでこだわったのは、プラスのエネルギーを発すること。音楽が大好きなのは私も同じなので、その気持ちを込めました。私はあまり人前で歌うことがないだけに、すごく気持ちよかったです! 物語のカギを握るミーナが、ドラえもんたちとどうかかわっていくか、楽しみに観てくださいね」 そう語る芳根さんと音楽のつながりは、幼少期にさかのぼります。 「叔母がピアニストなので、気づいたらピアノを習っていました。さらに祖母から“別の楽器もできたらカッコいいよ”とすすめられ、フルートを始めて。小学4年生から吹奏楽を始め、中学時代は吹奏楽部のために学校に通っていたくらい。たくさん喜んだり悔し泣きしたり、友達とぶつかったり上下関係を学んだり。音楽を通して喜怒哀楽を学びました。私の青春すべてが音楽でした」 劇中では、リコーダーが苦手なのび太がひみつ道具「あらかじめ日記」に願いを書き込み、世界から音楽が消える危機を招いてしまいます。 「理想の音を出すことも大切ですが、上手下手って人それぞれの主観ですし、音楽は楽しければそれでいいと思うんです。私の中学時代はコンクールで賞を目指すあまり少し殺伐とした雰囲気もありましたが、本当は仲間と楽しい時間が過ごせれば大成功。楽しんだもの勝ちなんですよね」 楽しそうに演奏するドラえもんたちの姿を見てそう実感すると同時に、オーケストラと今の自分が打ち込むお芝居の世界には通じるものがあると強く感じたそうです。 「楽器のパートひとつ欠けても成り立たないのは、お芝居も同じ。私は俳優部ですが、演出部や撮影部など、どの部が欠けても完成しない。みんなで同じ方向を向いて一つの作品を作るのが、私は好きなんだってあらためて感じました。お芝居を始めて11年目。がむしゃらだった10年前から体力は落ちましたが(笑)、求められる限り全力でお芝居に向き合いたい気持ちは変わりません!」 それではもし、書いた願いが叶う「あらかじめ日記」を芳根さんが手にしたら、どうしますか? 「ひとつ間違えると大変なことになるので、使わないほうがいい気もしますが……。私なら1日の時間、特に深夜を延ばしてほしいです。夜ってなんだかワクワクして何か始めちゃうんです。例えばよく掃除を始めて止まらなくなっちゃう(笑)」 カラッと明るく笑う芳根さんの会話術は、周りを楽しませるユーモアがたっぷり。老若男女誰もが好きになってしまいそうです。 「と言っても私、片付けが得意ではないんですよ(笑)。ただ玄関だけは、常にキレイにしています。母に“いい気は玄関から来る”と言われたので、靴の汚れは落としてから入り、靴も出しっぱなしにせず、サッと掃いて。だから玄関までなら、いつでもどうぞ、と迎えられますよ(笑)!」 Profile よしね・きょうこ●1997年2月28日生まれ、東京都出身。ドラマ『ラスト♡シンデレラ』(’13年)でデビュー。近年の主な出演作に、ドラマ『オールドルーキー』(’22年)、『それってパクリじゃないですか?』(’23年)、映画『ファーストラヴ』(’21年)、『Arcアーク』(’21年)、『峠 最後のサムライ』(’22年)など。映画『カラオケ行こ!』(’24年)が、現在公開中。 Instagram:yoshinekyoko X:YoshineKyoko