【文蹴両道】「勉強はメリハリをつけるのが最も効果的」県立浦和 MF竹林葵
博学才英が集う県立浦和(埼玉)は県下ナンバーワンの進学校にもかかわらず、がり勉のイメージがどこにもない。『尚文昌武』の校訓を実践すべく、勉強と部活動の両方に情熱を注ぐ生徒が多いからだ。 【フォトギャラリー】県立浦和 MF竹林葵 サッカー部はかつて浦和西、浦和市立、浦和南に先駆けて全国高校選手権で3度優勝し、埼玉をリードしていた。そんな古豪チームで、前年から唯一の2年生レギュラーでもあるMF竹林葵に日々の取り組みについて伺った。 ――浦和高校の雰囲気、校風はイメージしていた通りですか? そうですね、校則もなくクラスメートも伸び伸び過ごしていて、随分と自由な学校だと感じました。中学までは廊下を走ったら「駄目じゃないか」と子ども扱いされ、先生の支配下に置かれている感じでしたが、浦高では生徒が主体となって自由闊達にやっています。 ――進学先は浦高しか考えていなかったのですか? 県立は浦高だけで、駄目だったら慶應志木でサッカーを続けるつもりでした。浦高を志望したのは勉強だけでなく、部活動や学校行事などにも全力で取り組みたかったのが一番の理由です。自分は勉強、勉強というのがどうも好きになれず、浦高は5月の新入生歓迎マラソン、11月の古河マラソンと呼ばれる50㌔の強歩大会があるのも魅力でした。5月~6月にインターハイ予選が終わると、3年生が引退する進学校もありますが、浦高は全国高校選手権予選が終わるまで全力でやり抜けると聞きました。勉強以外のことでもいろいろ挑戦したかったので、浦高を一番に考えました。 ――中学時代から勉強とサッカーを両立させていますが、そのコツを教えて下さい。 中学の時はテスト期間になると、学校ワークを繰り返し何回もやりました。テレビを見るのも控えるようにし、部活動がない時は集中して机に向かって勉強を頑張りました。高校に進学してからもベースは変わりません。勉強はメリハリをつけるのが最も効果的だと思うので、短時間で全精力を傾けて集中することです。浦高の先生から聞いたのですが、“勉強に没頭している時は部活動のことは考えず、部活動に励んでいる時は勉強のことを忘れる”と、ある先輩が言ったそうです。サッカーの練習中は、それまでの6時間授業から1度離れて部活動に集中し、練習が終わったら頭を切り替えて勉強に取り組むことがキーポイントではないでしょうか。やはりメリハリだと思います。自分は勉強中に少しでも眠くなったら、そこで粘らずに10分と決めてタイマーをかけて仮眠するんです。これをすると頭がクリアになるので、時間を決めて仮眠を取り、起きたらぱっと再開すると効果的です。 ――古豪のサッカー部に入った感想はいかがですか? 上手な選手がけっこういるなと思いました。2つ上は強いチームで、自分が1年生の時に佐野日大高校と練習試合をして勝ちました。佐野日大はその年の全国高校選手権でベスト8に入ったチームでした。違う学年と交流を深める目的で実施したミニゲーム大会をやった時も、うまい人がたくさんいて感心しました。テクニカルな選手も多く、想像していた以上に部活動に熱心に取り組んでいるという印象を持ちました。