遺児家庭の進学支援制度はありますか?
あしなが育英会の調査によると、遺児家庭の保護者の平均年間所得は 135 万 7403 円で、前年の147 万 9132 円から12 万 1729 円も下がっていることが分かりました。昨今、賃金が上がらない中、ガソリン価格や電気代、食料品等の高騰で遺児家庭の窮状はますます深まっています。 この記事では遺児家庭の代表的な進学支援制度について、あしなが育英会と交通遺児育英会の奨学金について解説します。
あしなが育英会 奨学金
あしなが奨学金は、病気や災害(交通事故以外)、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度後遺障がい(※)で働けない家庭の子どもたちが対象です。 ※著しい障がいとは、以下の障がい認定を受けている場合をいいます。 身体障害者福祉法、国民年金法、厚生年金保険法施行令、精神保健および精神障害者福祉に関する法律、労働者災害補償保険法施行規則に定める第1級から第5級 奨学金の貸与部分は入学一時金も含め、交付が終了して6ヶ月後から20年以内に、年に1回(12月)、半年に1回(12月・6月)、または毎月返還のうち、いずれかの方法により無利子で返還します。 返還が困難になった場合は願い出により、その期間の返還を猶予できます。 申請時や返還時の連帯保証人は保護者(祖父母等の含む)でかまいません。さらに、他の奨学金と同時に利用できます。入学前に申請する「予約募集」と入学後に申請する「在学募集」があります。 ■2023年4月からの奨学金の内容 高校: 国公立・私立とも月額3万円(給付) 大学: 一般は月額4万円(貸与) 大学: 特別は月額5万円(貸与) 専門学校:月額4万円(貸与) 大学院:月額8万円(貸与) 私立高校入学一時金:30万円(貸与) 私立大学入学一時金:40万円(貸与) 進学支度一時金 30万円(給付) (出典:一般財団法人 あしなが育英会「奨学金について」) また、あしなが育英会では生活保護家庭であっても、首都圏や関西圏の私立大学にも進学できるように学生寮「あしなが心塾」(東京都日野市)、「神戸レインボーハウス」(兵庫県神戸市)を設置、運営しています。塾生の負担は光熱費などを含め、朝夕の2食付きで月額1万円で利用できます。 ベッド、机、ワードローブなどは1人ずつに備え付けられています。共有設備は大浴場、洗濯室、食堂、自習室、談話室などです。全館冷暖房完備です。 塾生には、「読み・書き・スピーチ」や「海外留学制度」などさまざまなカリキュラムがあり、「暖かい心・広い視野・行動力・国際性」を兼ね備えた、広く人類社会に貢献する人材の育成に努めています。