2019センバツ 選手紹介 横浜/下 /神奈川
<春疾風(はやて) 第91回選抜高校野球> ◇度重なるけが、諦めず 吉原大稀外野手(2年) 北海道から神奈川の名門・横浜高校に入学。1年の春からベンチ入りし、平田徹監督から「4番候補」と期待された。だが肩の故障、左手の骨折、破傷風など度重なるけがに苦しみ、約1年間まともに野球ができない時期が続いた。 この冬は、インコースからバットを出せないという課題の克服に取り組んだ。打撃練習でホームベースのそばにネットを置き、その支柱にバットが当たらないように打つ練習などに励んだ。 「自分の代わりはいくらでもいる。それでも諦めずにやってきたことを甲子園で生かしたい」 ◇代打でヒット打ちたい 明沢一生内野手(2年) 中学時代は軟式野球部に所属し、高校から硬式に転向した。当初はボールのバウンドの違いなど対応に苦慮し、入学から約半年間はほぼ毎晩、父一男さん(57)が仕事帰りに練習に付き合ってくれたという。 今年1月に流行性結膜炎にかかり、1週間チームを離れた。平田徹監督から「レギュラーを任せたい」と言われた直後のことだった。センバツのメンバー発表で15番目に名前を呼ばれ、「家で泣いてしまった」。 「自分の役割は1点負けているときや同点のときの代打だと思う。甲子園ではとにかくヒットを打ちたい」 ◇裏方でバッテリー支える 桑原隼輔捕手(2年) 新チーム発足時から、ブルペンで投手陣の球を受ける役割を担う。正捕手の山口海翔捕手とは中学3年の冬に練習試合で知り合い、互いに横浜高校に進学することがわかると「一緒に甲子園に行こう」と約束した仲だ。 試合前の投球練習を終えると、必ず山口選手の元へ駆け寄る。「今日は変化球の調子が良いから中心に使ってみたら」。ブルペンでの投手の様子を伝えると、山口選手が試合で助言した球種を多く使う配球をすることもあるという。 甲子園では「裏方としてバッテリーを万全な状態でグラウンドに送り出したい」。 ◇サードの守備で力に 鬼頭勇気内野手(1年) 元バレーボール選手でインドア、ビーチバレーの2種目で五輪に4度出場した高橋(旧姓)有紀子さんを母に持つ。 入学当時からサードの守備位置で共にノックを受けてきた同学年の庄子雄大選手がライバル。自分の持ち味は打球や送球に対するグラブさばきだという。守備力をより伸ばそうと、他の選手とゴロを投げ合ったり、ノックしてもらったりして確実に捕球する練習に取り組んできた。 センバツでは「守備要員として出場する場面が多いと思う。一つ一つしっかりアウトにしてチームの力になりたい」。 ◇出番が来たら思い切り 西平圭汰内野手(2年) 昨秋の関東地区大会ではベンチ入りメンバーの18人からもれたが、センバツで背番号16をつかんだ。 得意なバッティングだけでなく、守備力を高めようと、欠かさずノックを受け続けてきた。ポジションごとに2人ほどに限られるシートノックにも参加できるようになった。「ノックを打つ監督とそれを受ける選手との戦い」と自分に言い聞かせ、どんな打球にも食らいついた。 今月の対外試合ではスタメン出場も果たした。「ベンチで見ているより試合に出た方が楽しい。甲子園で出番が来たら、思い切ってプレーをしたい」 ◇監督と選手のつなぎ役 黒須大誠投手(2年) 昨夏の甲子園を経験。2回戦にリリーフで登板し、試合を勝利で締めくくった。 平田徹監督から「相談相手」と評され、自身も「監督と選手のつなぎ役」と自覚している。昨秋から三塁コーチャーとして、プレーの改善点をいち早く見つけ、レギュラー陣の大半を占める1年生に、できるだけわかりやすく伝えている。 甲子園を知るからこそ「ファウルゾーンが狭いから距離感を確認しよう」など、具体的なアドバイスも。「三塁コーチャーはチームを勝利に導くことができる大事なポジション。甲子園でも的確な状況判断をしたい」