ほっこりニット姿は休暇中限定!? 英国ロイヤルのニット着こなし比較
英国ロイヤルズの着こなしには常に世界中から注目が集まる。古くからのしきたりやマナーなど、たくさんの決まりごとがある「ロイヤルスタイル」だが、そのなかで最大限に自分らしさをアピールして楽しむ姿に憧れを抱く。「英国ロイヤルズ」がファッションを通じて見せる、生き方や意志、今の気分、遊び心を読み解いてみたい。 【写真】すぐ取り入れたい、世界のロイヤルの秋冬ファッション20選
【ダイアナ元妃】個性爆発の'80年代から「クワイエット・ラグジュアリー」な'90年代まで
英国ロイヤルズのニットと銘打って欠かすことのできない1枚といえば、若き1980年代のダイアナ妃が着た「ウォーム&ワンダフル」のヒツジ柄の赤いニット。時を経て2020年には「ローイング ブレザーズ」が妃のトリビュートコレクションとして復活させたほどだ。ダイアナ妃もこのキッチュで愛らしいセーターがとてもお気に入りだった様子で、写真によって微妙に色が違うのは2枚目を買い足しているからという説が濃厚。
1枚で着るのではなく、インナーにフリルやボウタイのブラウスを忍ばせているのもポイントが高い。個人的には柄に1頭だけ黒いヒツジが含まれていることに注目している。まるで集団の中で異色な自分を表していると思うのは考え過ぎだろうか。'80年代の個性あふれるダイアナスタイルを楽しみたい方にはNetflixの『ザ・クラウン』シーズン4をおすすめする。
ハネムーン中にバルモラル城で撮られたスナップ。ピンク基調のチロリアンニットを主役にした、コージーな装いは、長靴からのぞかせた真っ赤なリブソックスも効いている。横にたたずむ、若き日のチャールズ国王のリブニット×シャツもクラシックで上品だ。ちなみに、カラフルなニットに反するように浮かぬ顔のダイアナ、この頃からすでに幸せではなかったと後に語っている。
ポロをたしなむ紳士たちが大きなモチーフになったロング丈ニットも、目を引く愛らしい1枚。お尻をすっぽりとカバーする裾だから、シフォン素材のプリーツスカートが広がらず、甘くなりすぎない。
1990年代に入ると、世の流行に沿ってニットも徐々にシンプルに。淡いブルーのセーターは、フォルムはいたってスタンダードだが、襟、袖、裾に編み地があるユニークなもので、胸元に咲いた野花モチーフも目を引く。ウォッシュ加工を施したスリムデニムにフラットシューズやスニーカーではなく、ウエスタンブーツを合わせているのもすてき。