中国、昨年は西太平洋の軍事演習に150億ドル支出=台湾軍分析
Yimou Lee [台北 27日 ロイター] - 中国は昨年、西太平洋地域における軍事演習に国防予算の7%に当たる約150億ドルを支出した。台湾軍の内部分析報告の内容をロイターが確認して分かった。 台湾政府高官の1人は「中国は(日本の南西諸島と台湾、フィリピンを結ぶ)第1列島線の西側を支配しようとして膨大な資源を投入している」と解説した。 台湾政府はロイターの問い合わせに対して、こうした数字について公式のコメントを拒否。ただ「中国共産党による近年の巨額の軍事投資は地域の平和と安定にマイナスの影響を与え、世界の繁栄と発展にも寄与しない」と述べた。 中国国防部はコメント要請に回答してない。 台湾国防部は渤海、東シナ海、台湾海峡、南シナ海、西太平洋での中国軍に対する監視・偵察活動を通じて集めた情報に基づき、5月にこうした分析報告を策定した。 この分析作業で中国海軍・空軍の活動回数やそれぞれで消費した燃料・物資を集計した結果、整備や補修、人件費などを加えて1100億元(153億ドル)という総費用を算出した。 3人の台湾政府高官によると、分析報告は中国が西太平洋向けにどれだけ軍事資源を振り向けているかについて政府首脳の理解を手助けし、中国の軍事的な意図と能力の格差を把握することにつながるという。 1100億元は、昨年の台湾の国防費の85%前後に相当することが、ロイターの計算で分かっている。