120万円で手に入る自分だけのオンリースペース。見落としがちな「ガレージ」の魅力
---------- 人生でいちばん高価な買い物、マイホームをせっかく建てたのに、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人があまりに多いのはなぜなのか? 気鋭の建築家・内山里江氏は言います。 「日本人が家づくりに失敗する最大の理由は、たとえば『家は南向きじゃなきゃダメ』とか『窓は大きいほうがいい』といった『間違った常識』によるものです。私は本書でそうした間違った常識をすべてひっくり返します」 内山氏の最新刊『家は南向きじゃなくていい』から、間違いだらけの家づくりをしないための方法を連載形式でお届けします。 前編記事<ガレージの魅力を知らない人が多すぎる! 「マイホームのとき絶対に検討するべき!」と建築家が声高に言うワケ> ---------- ガレージの魅力を知らない人が多すぎる! 「マイホームのとき絶対に検討するべき!」
ビルトインの汎用性の高さ
後付けのカーポートではなく家と一体化しているガレージをおすすめする理由は、ビルトインのほうが後々の汎用性が高いからです。もし車に乗らなくなっても、家と一体化している場所なので改築してプレイルームにしたり、サウナにしたりと好きなスペースに作り替えることが簡単にできます。反面、カーポートを外して何もないスペースに一から建物をつくるのは非常にコストがかかります。
ガレージを遊ぶ場所にしている人も
車庫としての実用性だけではなく、楽しむためのスペースとしてガレージを活用している例が、こちらの「趣味のガレージ」です。 このおうちはご主人、奥さま、お子さんひとりの3人家族で、ご主人はバイクとDIYが趣味。ご友人を自宅に招くことも多く、バイクガレージやウッドデッキ、さらには室内とは別でご主人専用の「俺のキッチン」をリクエストするなど、まさに「遊ぶための家」を希望されていました。 玄関とガレージへ分岐するエントランスにはバイクを置くことができ、ソファや棚、バイクのお手入れグッズなどが置かれたガレージはご主人の趣味の空間となっています。その先はウッドデッキへとつながっており、室内とは別のキッチン設備もあります。ご主人は友人を招き、エントランスからの一連のスペースで趣味を共有しながら楽しめるというわけです。
内山 里江(一級建築士 株式会社コモドデザイン代表)