契約社員でボーナス「なし」…同じ仕事内容でも正社員は「3ヶ月分」この差はなぜ?
働き方の多様化が進む今の時代、契約社員や派遣社員のように非正規雇用という雇用形態を選択する人が増えています。 非正規雇用として働く場合、働く場所や時間を選びやすいことや、プライベートの時間を確保しやすいことなどのメリットがあります。しかし収入面においては、正社員に比べて、まだ安定しにくいところがデメリットです。 本記事では、契約社員と正社員の給与・ボーナスの金額差について、差が出る理由とともに紹介します。 また、働き方改革の一つとして進められている「同一労働同一賃金」の取り組みについても解説します。
正社員と契約社員の給与とボーナスにはどのくらいの金額差があるのか?
厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月収は、男女計で32万8000円(男性35万3600円、女性27万6400円)であることに対し、正社員以外の平均月収は、男女計で22万1300円(男性24万7500円、女性19万8900円)とのことです。 また、正社員と正社員以外における平均賞与の金額を、表1にまとめました。 表1
※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成 ただし、契約社員にボーナスを支給するかどうかは会社の判断によるため、ボーナスが出ないケースも少なくありません。
正社員と契約社員の待遇に差が出る理由は?
正社員と契約社員の大きな違いは、雇用期間に定めがあるかどうかです。契約社員の雇用期間は労働基準法で「最長3年」と決められており、企業の多くは1年ごとに、契約を更新するか終了するかを判断します。 一方で正社員は、基本的に定年まで働き続けることが可能です。 仕事内容についても、契約社員は契約時に業務範囲についてあらかじめ決められるため、自分が担当するべき業務内容が明確になっています。 契約範囲外の仕事についてはほぼ責任を負う必要がなく、ストレスを感じにくいことはメリットの一つといえるでしょう。 企業側にとっても、給与やボーナスの支払いが少なくて済む契約社員を雇うことで、人件費を抑えられるというメリットがあります。 これらの事情が、給与やボーナスなどの面で、正社員と契約社員の間に差が生じる理由です。