フジクラに戻して、渋野日向子のパーオン率は73.5%! PINGの米国女子25人のアイアンシャフトとの違いが興味深い【スペック調査】
米国女子メジャー「JPMG全米女子プロゴルフ選手権」初日、渋野日向子が首位と2打差の「70」発進。2日目の今日も「70」を重ね好調だ。「全米女子オープン」でウェッジとパター以外のシャフトを一新し、2位に入ってから好調に転じて見えるが、今大会のパーオンは25/36回(69.44%)だ。 コレが、渋野日向子のアイアンスペック!その他の選手とどう違う?【画像】 過去に使用してメジャーを制した、フジクラ『MCI80-R』というアイアンシャフトに戻してからのパーオン率はここまで「73.5%」と、明らかに好調に転じた渋野。そこで、今月時点のPING契約の米国女子選手25人のアイアンスペックも調査すると、興味深い傾向が見えてきた。 ■ フジクラ製アイアンシャフトは渋野のみ! まず、25人のアイアンシャフトをメーカー別に見てみよう。フジクラ製は意外にも渋野ただ1人で、使用者数が多いのは25人中8人ずつで日本シャフトとKBSが並び、3番人気のトゥルーテンパーは5人。渋野が使ったエアロテック社『スチールファイバー』は1名で、グラファイトデザインとUSTマミヤも1人ずつ。 では、渋野のように「カーボンシャフト」が少ないのか?というと、そうではない。日本シャフトの9人とトゥルーテンパーの5人は勿論スチールだが、元々スチールに強いイメージのKBSの使用者8人中、カーボン製の『PGi』が4人、同じくカーボン製の『TGi』が2人いた。 エアロテック社の『スチールファイバー』もベースはカーボンにて、全体25人のうちスチールシャフト使用者が18人で、残りの9️人がカーボンシャフトだった。(一部、メタルコンポジットを含む)次に、アイアンシャフトの重量帯を見ていこう。 ■重量は様々だが100g台が9人! 国内女子ツアーでは長らく『N.S.PRO 850GH』(S)が一番人気を博してきたが、PINGの米国女子選手に『850GH』はおらず。重量帯では多い順にスチールの「100g台」が9人、スチールの「90g台」とカーボンの「80g台」が6人ずつで並び、「70g台」が5人、60g台が1人。国内女子に人気の「80g台のスチール」が1人は意外。 モデル最多はKBS『PGi』が4名(70が2人、80と90が1人ずつ)だが、KBS『TGi80』も2人で「80g台のカーボン」は人気。かたや、日本シャフト勢では『N.S.PRO 950GH』(S)、『950GH neo』(R)、『Modus 105』、軽い『750GH』(S)、『Zeros7』が全て2人ずつと、幅広いラインナップで選手の好みに対応している。 ■『i230』が一番人気で「UW」までが5人! 人気ヘッドは渋野と同じ『i230』が27人中12人と圧倒的で、前作『i210』も6人。番手構成を見ると『i230』使用者12人のうち「4I~PW」が3人、「5I~UW」が2人、渋野ふくめ「6I~PW」が2人、「7I~UW」が2人。『i230』のUWまで入れる選手が5人で、PWまでの選手が6人と近い割合なのも印象的だ。 軟鉄鍛造の新作『ブループリントS』も2番人気の27人中7人いたが、アマンダ・ドハーティは5I~7Iが『ブループリントS』で8I~PWを『ブループリント』に。また、8I~PWが『ブループリント』で5I~7Iを『i210』にするマリア・ナムもいる。 このようにコンボセットにする選手は27人中6人と、男子プロの割合より少ないのはハイブリッドの性能に優れたPINGの女子選手らしい選択。全体で4Iから入れるのは27人中4人おり、5Iからの選手は10人で、6Iからの選手は7人、7Iからの選手は4人だった。 なお、FWキープ率の1、3位がアリセン・コープス(86.6%)とリゼット・サラス(85.9%)というPING勢だが、パーオン率では14位のチェ・ヘジン(71.3%)が最上位。渋野の今季のパーオン率は61.1%(143位)と下位だが、前述の通りフジクラに戻してからは「73.5%」と、巻き返しの材料は整っている。(編集部M・K) 【PING契約女子プロのアイアンスペックまとめ】 ・渋野のみフジクラ製アイアンシャフト ・渋野のフジクラ変更後のパーオン率は「73.5%」 ・一番人気は25人中8人ずつで日本シャフトとKBS ・27人中スチールシャフトが18人、カーボンが9人 ・スチールの人気は100g台が9人、90g台が6人 ・渋野と同じ80g台のカーボンは6人 ・人気ヘッドは『i230』が12人、『i210』も6人 ・『i230』使用者の5人がUW(50°)まで入れる ・新作『ブループリントS』は2番人気の7人 ・5I~が10人、6I~は7人、4I~は4人、7I~は4人