「鎖の付いた犬を保護したんですが…」アナタを狙う闇バイト強盗「悪魔の訪問文句」実例集
この秋、首都圏を中心に、主に高齢者が住む一戸建てを狙った“闇バイト強盗”が頻発している。 ■【画像】連続強盗団のルフィ一味が収容されていたビクータン収容施設■ 「首都の治安を守る警視庁は埼玉、千葉、神奈川の3県警と合同捜査を実施。逮捕者は30人以上いますが、SNSで集められた実行犯役ばかりで、実際は“捨て駒”です。犯行を画策した主犯格の逮捕には、いまだ至っていません」(全国紙社会部記者) 犯人に暴行を受けた被害住人が死に至るなど、その手口は凶悪かつ、ずさんそのものだ。 「窓ガラスを強引に割って侵入するなど、素人っぽさが随所に見られます。一方で、過去に起きた事件の容疑者からは“夫50代、妻50代”“娘が2~3日に1回、家に来る”など、ターゲットとなった家の詳しい個人情報が書かれたメモも押収されている。家の間取りから、居住者の生活習慣に至るまで、詳細に書かれていたそうです」(前同) 元神奈川県警刑事で『ゴゴスマ ―GO GO! Smile-』(TBS系)などの情報番組にも出演する小川泰平氏は、こう指摘する。 「いわゆる闇名簿です。もともとオレオレ詐欺を仕掛ける連中が使っていたもの。名簿を手にした強盗団は、廃品回収業者などを装い、家に上がり込む。話し込んで、その家の情報を引き出すんです」 下見作業に特化した実行犯役とは異なる集団。ここで情報を収集し、ターゲットとなる家をリストアップしていく。 「名簿は1件、数十万円。下見をするのは、詐欺のかけ子をやっていたヤツらだから言葉巧みです」(前同)
■しつこい相手は同居人の存在を匂わせて撃退
実際にあった、具体的な訪問手口を見ていこう。 (1) リフォーム業者に扮した男が訪問。「屋根の瓦がずれていて、このままだと水漏れする。無料で点検しますよ」と言って家に上がり込む。世間話を装いながら、「息子さんや旦那さんはいないの? お仕事?」と家族構成を確認された。 (2)20代前半の男2人がインターホンを鳴らす。「近くで鎖のついた犬を保護したんですが、犬を飼っていませんか?」と聞かれた。犯行時に邪魔になる飼い犬がいるか、調べていた様子。 (3)実在する金融機関や不動産業者の名をかたり、「保険請求の件で確認したい」「リフォームのため間取りを知りたい」と訪問を求める電話があった。資産状況や自宅の情報収集目的と思われる。 いかにも自然な口調で、“家の中”を覗き込もうとする凶悪犯たち。この魔の手から逃れるには、どうしたらいいのだろうか。前出の元神奈川県警刑事の小川氏が話す。 「インターホンで応対し、家には上がらせない。買い取り業者だと思い、“家に上げてもらったら、こちらで探します”と言われ、“そうですか”なんて答えては絶対にダメ。しつこければ、“息子に確認します”と、嘘でもいいので同居人の存在を匂わせてください」 自宅にかかってくる、不審な電話への対策も必要だ。 「防犯アナウンス機能付きの電話が有効です。“この電話は特殊詐欺対策のため録音させていただいています”とメッセージが流れるだけで、相手が二の足を踏む効果があります。また、日頃の防犯対策も重要です。窓に防犯フィルムを貼っておけば侵入までの時間を稼げ、その間に通報できます。そして、お金は必ず分散して保管してください」(前同) 用心に越したことはない、と肝に銘じてほしい。
ピンズバNEWS編集部